ユネスコ無形文化遺産保護条約の第8回政府間委員会で2013年12月4日、日本が提案した「和食;日本人の伝統的な食文化」を、ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載することが決定された。これにより、日本のユネスコ無形文化遺産は22件になる。
登録申請にあたっては、和食が「自然の尊重」という日本人の精神を体現した、食に関する社会的慣習として提案。以下の4点をポイントに、家族や地域コミュニティのメンバーとの結びつきを強める社会的慣習であるとし、それが評価された。
- 新鮮で多様な食材とその持ち味の尊重
- 栄養バランスに優れた健康的な食生活
- 自然の美しさや季節の移ろいを表現した盛りつけ
- 正月行事などの年中行事との密接な関わり
登録決定に伴い、 農林水産大臣の林芳正氏が談話を発表。「和食は、日本人の“自然を尊重する”こころが育んできた食文化」と改めて認識を示すとともに、今回の登録が「日本食文化への関心が継続的なものとなり、次世代に向けた保護・継承へとつながるよう、努めてまいります」と述べた。
【ユネスコ無形文化遺産に登録されている世界の食文化】
▼2012年以前に登録
- フランスの美食術
- 地中海料理(スペイン、ギリシャ、イタリア、モロッコ)
- メキシコの伝統料理
- ケシケキの伝統(トルコ)
▼2013年に登録
- 和食;日本人の伝統的な食文化
- トルココーヒーの文化と伝統
- クヴェヴリ、古代グルジアの伝統的なワイン製造法
- キムジャン;キムチの製造と分配
- 地中海料理(以前の4ヶ国に加え、キプロス、クロアチア、ポルトガルが追加)