2014年3月31日から新しいNHKの連続テレビ小説「花子とアン」の放映が始まる。この物語は、カナダ・プリンスエドワード島を舞台にしたモンゴメリの小説「赤毛のアン」の翻訳者・村岡花子氏の生涯を描いたドラマだ。舞台は日本となるものの、回想シーンなどで現地プリンス・エドワード島の露出が増えることから、関係者の旅行者増への期待は高い。
「花子とアン」放映まで間近となった2014年2月、カナダのプリンス・エドワード・アイランド州首相のロバートW.J.キーズ氏が初めて来日。外務省の石原宏高外務大臣政務官への表敬訪問などで、日本とプリンス・エドワード・アイランド州のさらなる交流促進を推進する役割を果たした。
来日中、日本/カナダ間の観光、貿易、交流などの事業関係者を招いて開催したレセプションの場でキーズ首相は、今回のドラマ放映で、日本人にとって「プリンス・エドワード島の存在感が大きくなるだろう」とコメント。エア・カナダ(AC)の羽田/トロント線就航が放映開始後の7月となっており、アクセスが良くなることでさらに日本人旅行者が増加することに期待感を示した。さらに、旅行先としてだけでなく「学習の地として」訪れることも推薦。プリンス・エドワード大学、スタディアブロード(語学研修)、ホーランドカレッジなど教育の受け入れ態勢があることを紹介し、「ぜひ日本から教育の場として訪れてほしい」と語った。
▼ドラマ放映と同時期に日本/カナダ間の座席供給が大幅な増加
「花子とアン」の放映が始まる3月末は、航空会社の夏スケジュールもスタート。羽田の昼間発着枠の運用が開始され、ANA(NH)は羽田/バンクーバー線を3月30日から就航する。エア・カナダ(AC)は、2014年7月から羽田/トロント線の運航を開始。これは2013年10月の航空当局間協議で日本とカナダ双方の企業が1日1便ずつ羽田空港の昼間時間帯で運航を可能とする枠組みに合意したことから実現した。また、エア・カナダは、成田空港からバンクーバー/カルガリー/トロントにも運航しており、日本/カナダ間の座席供給は大幅に増加する。
なお、JALの既存路線である成田/バンクーバー線では、夏スケジュールから機材をB767-300ERからB787-8に変更。昨年末からは、同路線でマレーシア航空とのコードシェアも開始している。
エア・カナダ日本支社長のワイス貴代氏は、ドラマ放映とともに日本/カナダ間の路線が増加することについて「相乗効果が期待できる」として、カナダ全体への旅行者の底上げに意欲的だ。新路線を活用した旅行会社の商品造成も活発化しているといい、今回の就航が「ベストなタイミング」とドラマ放映に期待感を示した。
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(トラベルボイス編集部:山岡薫)