JTBグループのジェイアイ傷害火災保険が発表した、海外旅行保険契約者の事故発生状況によると、2015年度の事故発生率は3.60%(28人に1人)で前年よりも0.07%増加した。
補償項目別の事故件数を見ると、最も多いのは治療費用や救急車等の交通費、医療通訳費、家族の現地渡航費用などを補償する「治療・救援費用」(49.0%、前年比3.1%増)。次いで、手荷物の盗難や破損を補償する「携行品損害」(32.5%、同2.4%減)、航空機遅延や欠航など偶然な事故で負担を余儀なくされた費用を補償する「旅行事故緊急費用」(13.9%、同2.6%減)と続く。
また、2015年度の特徴としては4位に入った「旅行キャンセル・中断」(2.6%、同1.8%増)。主にパリのテロ等の影響により、支払い発生が増加したという。
地域ごとの補償項目別事故状況(保険金支払い件数ベース)は以下のとおり。
また、高額医療費用事故については、治療・救援費用の保険金支払額が300万円以上の事故が77件発生し、年々増加傾向にある。このうち、1000万円以上の事故は11件発生し、最も高額な支払保険金は2347万円となった。
これは、被保険者は65歳以上のシニアの無制限プランの例。アメリカを旅行中、コンビニでの買い物途中に意識を失い、救急車で搬送され、心不全と診断。25日間入院し、医師・看護師が付き添って医療搬送した。
ジェイアイ傷害火災保険によると、大半が現地治療費や医療搬送費となる「治療・救援費用」は、現地通貨建てでの請求となるため、円安が進むことで円ベースでの支払いが増加。また、全世界的に医療費が上昇傾向にあることも、高額医療費が発生する理由の一つだという。
なお、高額医療費用事故の43%がシニア層(65歳以上)で、発生率は65歳未満の約4倍になっているという。