星野リゾートはこのほど、山口県長門湯本温泉と進めている街づくりの一環として、新たに社会実験「長門湯本みらいプロジェクト」を開始した。
これは、星野リゾートとして初となる温泉街全体の再生案件で、地域・民間・公共が連携して実施。長門湯本の地形や観光資源などの魅力を最大化するリノベーションを行うことで、「全国温泉ランキングTOP10」に選ばれるような温泉街になることを目指すもの。
先ごろ開催されたプレス発表会で、同社代表の星野佳路氏がプランの進捗状況について言及した。星野氏によると、街全体に係るプロジェクトでは利害関係の違いから合意形成を図るのが難しいのが一般的で、同地域でもプランの各要素に対する賛成/反対の意見はある。しかし、今回の社会実験はそれを確認するためにも「まずはやってみよう」と、地域が自発的に動き出しているといい、「良い方向に向かっている」とアピールした。
社会実験は2017年9月と10月に実施。2017年9月15日・15日には、星野氏が「川床」「夜間照明」などを体験し、市長や専門家と実施方針を確認した。
10月には、まちづくり計画の中核施設に位置付けられる「恩湯(おんとう)」の整備・運営を担う事業者選定。温泉街の中心を流れる音信川(おとずれがわ)を中心とするイベント「おとずれリバーフェスタ」も開催した。
今後も年に2~4回にわたってプロジェクト全体方針の検討会(長門湯本温泉観光まちづくり推進会議)を実施するほか、若手と専門家が参画して推進会議に向けた実務提案をおこなう「長門湯本温泉観光まちづくりデザイン会議」を月一度のペースで開催。さらに、年明けの取りまとめに向けて景観ガイドラインの検討・策定を遂行する計画だ。
すでに、地域の旅館や伝統工芸の後継者など若手経営者を中心に、地域再生に向けた動きが始まっており、リノベーション物件での「cafe&pottery」をオープンするなど、マスタープランを先んじて取り組みが始まっているという。
長門湯本みらいプロジェクト