IATA(国際航空輸送協会)がこのほど発表した予測によると、2018年の航空産業は、世界全体で純利益が384億ドル(約4.2兆円)となり、2017年の推定345億ドルを上回る見込みとなった。IATAでは、今年の純利益合計について、今年6月時点では314億ドル(約3.5兆円)と推計していたが、その後、上方修正した。
2018年の航空業界全体での売上(旅客・貨物含む)は、前年比9.4%増の8240億ドル(約90.6兆円)。搭乗旅客数は同6.0%増の43億人のプラス成長ながら、伸び率は若干、鈍化するとの見通し。2017年の旅客数は前年比7.5%増を見込んでいる。
そのほか、2018年の旅客当たり純利益は、2017年より0.45ドル増の8.9ドル(約1000円)。営業利益率は同0.2ポイント減の8.1%、純利益率は同1ポイント増の4.7%。
IATAでは、来年の需給関係について、旅客数の伸び6%増に対し、有効座席キロ(ASK)はこれを下回る5.7%増であるため、座席稼働率は過去最高レベルの平均81.4%、イールドも3%増と予測。旅客販売の売上は、前年比9.2%増の5810億ドル(約64兆円)としている。
来年の航空ビジネス全般については、世界GDP成長予測が3.1%増と好調であること、航空各社による効率化への取り組みが進んでいること、負債や利子の縮小などが奏功し、純利益が拡大すると予測している。
一方、最も懸念されるマイナス要因はコストの上昇。特に来年の原油価格平均は、2017年より10.7%増のバレル当たり60ドル(約6600円)が予測され、ジェット機の燃料費は12.5%増の73.8ドル(約8200円)が見込まれている。この影響で2018年は、航空会社のコスト全体に占める燃料費の比率が20%以上に達するとしている。
※円換算値は1ドル110円としてトラベルボイス編集部が算出した。