日本政府観光局(JNTO)によると、2019年5月の訪日外国人数(推計値)は前年比3.7%増の277万3000人となった。前年同月の267万5052人を約10万人上回り、5月として過去最高を記録した。
市場別では、中国が前年比13.1%増の75万6400人で最多。2位以下は東アジア市場が続くが、韓国は5.8%減の60万3400万人、台湾は3.1%減の42万6500人、香港が0.8%減の18万9000人。前年割れの推移についてJNTOでは、10連休となったゴールデンウィークの混雑回避や、訪日旅行商品の高騰が影響したと分析する。
さらに韓国では、韓中関係の改善により中国旅行の需要が回復。また、東アジアの全体的な傾向として渡航先が多様化し、東アジア域内やベトナム、タイなど日本よりも安価に楽しめる渡航先との競合も影響していると見る。
ただし、新規就航や増便などによる航空座席供給量の増加や、訪日プロモーションの継続的な展開により、全体の訪日旅行者数が増加。特に欧米豪市場では全市場で、前年を上回る好調な推移となり、特にアメリカ、オーストラリア、カナダはいずれも2ケタ増の伸びを記録した。
前年を上回った市場を見ると、インドでは単月で過去最高を記録。中国、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、豪州、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スペインの14市場では、5月の過去最高を更新した。
訪日外国人数の月次推移と市場別の数値は以下のとおり。
JNTOでは、世界情勢や旅行先の多様化を背景に訪日旅行の市場環境の変化が激しくなっていることを指摘。市場動向を綿密に分析しながら、プロモーションを進める方針だ。