日本の航空業界を代表する日本航空(JL)と全日空(NH)の公式ウェブサイトを対象にアクセス状況を比較してみたところ、2015年1月の延べ訪問者数がJALサイトの330万人に対してANAサイトは445万人で、ANAが約1.3倍のアクセスがあることが分かった。今回の比較は、複数サイトのアクセス状況を外部から比較できるサービス「SimilarWeb」で公開されているデータを利用してトラベルボイス編集部が実施したもの。計測対象は両社のPCサイト(www.jal.co.jpおよびwww.ana.co.jp)のみで、サブドメインサイト等は含まれない。
両社サイトの過去6カ月間の訪問者数の推移は以下のとおり。 比較期間は2014年8月から2015年1月までの6カ月間。
▼平均滞在時間やページビュー比較
ANAサイトへのアクセスがやや安定的
2015年1月のデータでユーザーのサイト訪問状況を比較してみよう。平均滞在時間(Time On Site)は、JALサイトが平均7分15秒、ANAサイトが7分31秒で、ANAサイトへの滞在がやや長い。ページビューでは、JALサイトが平均9.71PV、ANAサイトが10.48PVと、若干ながらANAのほうが上回った。直帰率(Bounce Rate。1ページを見ただけでサイトを離れてしまった割合)では、JALサイトでは25.53%、ANAサイトでは23.49%で、JALサイトのほうが約2%上回る結果となっている。
各サイトの平均アクセス数、平均滞在時間、ページビュー、直帰率は以下のとおり。
▼ユーザーがサイトに訪れる動線(トラフィックソース)比較
検索で訪れるユーザーは両社サイトともに約3割
次に、サイト外からの流入状況(トラフィックソース)を比較する。過去3カ月分の平均値データでアクセス経路を見ると、各サイトへの直接アクセスはJALが32.15%に対してANAが35.65%、検索サイト経由のアクセスはJAL 30.74%に対してANA 32.9%でいずれも3割前後となっている。メールからのアクセスはJAL 3.42%に対してANAは4.77%となっており、ANAが若干上回る結果となった。一方で、外部リンクを経由したアクセスはJALが32.38%、ANAは24.18%で、JALサイトのほうが約8%多かった。
各サイトへのアクセス経路の比較は以下のとおり。「Direct」はサイトへの直接アクセス、「Referrals」は他サイトのリンクから、「Search」は検索サイトから、「Social」はソーシャルメディアからのアクセス。「Display」はウェブページに埋め込まれたバナーなどディスプレイ広告からのアクセス。
▼アクセス元となったサイト比較
JALは「ポイント」系、ANAは「オンライン旅行サイト(OTA)」が上位に
アクセス元となったサイトを頻度順にみると、JALサイトでは「Ar.jal.com(アメリカ地区向け)」が1位となっているほか、「Tw.jal.com(台湾向け)」「Jal.com(グローバルサイト)」「Jalcard.co.jp(JALクレジットカード関連サイト)」といった系列サイトからのリンクが上位にランクされた。また、「げん玉(Gendama.jp)」「ゲットマネー(Dietnavi.com)」「ワラウ(Warau.jp)」といったポイント蓄積・交換関連サイトからのアクセスが上位となった。
一方で、ANAサイトでは乗換案内サイト「ナビタイム」からのアクセスが1位で、同じく乗換・時刻表案内の「駅探(Timetable.ekitan.com)」が5位にランクされた。さらに「トラベル・ジェーピー(Travel.co.jp)」「一休.com(Ikyu.com)」「楽天トラベル(Travel.rakuten.co.jp)」「トリップアドバイザー(Tripadvisor.jp)」「トラベルズー(Travelzoo.com)」といったオンライン旅行予約サイト(OTA)からのアクセスがトップ10のうち半数を占めた。
アクセス元となったサイトのランキングは以下のとおり。
▼ソーシャルメディアからの流入比較
JALはニュース・ブログ系、ANAは海外ローカル系が上位に
ソーシャルメディア経由のアクセス割合は、両サイトとも1桁台(JAL 1%、ANA 1.59%)にとどまる状況になっているが、その内容をみると傾向が異なる。JALサイトでは「フェイスブック(Facebook)」経由が49.8%でトップ、次いでソーシャルニュースサイト「レディット(Reddit)」(15.62%)、「ツイッター(Twitter)」(11.75%)、ブログ「アメーバ」(9.98%)、動画サイト「ユーチューブ(YouTube)」(7.07%)と続く。
一方でANAサイトでは「フェイスブック」経由が64.99%と圧倒的に多く、「ツイッター」(16.7%)、「ユーチューブ」(10.93%)に次いで、中国版ツイッター「ウェイボー(Weibo)」やフランス発の動画共有サービス「デイリーモーション(dailymotion)」がランクされたことが特徴的となっている。
ソーシャルメディアからのアクセス状況は以下のとおり。
(トラベルボイス編集部)