富士通グループは、東北の桜の名所と酒蔵をナビゲーションするアプリを、メンバーとして参加する「東北・夢の桜推進協議会」と共同で開発する。同協議会では、東北復興支援プロジェクトとして「東北・夢の桜街道」を推進しており、2015年10月27日からは新酒の時期に酒蔵などをめぐる「東北酒蔵街道」を開始。年間を通じた観光振興を本格化する。今回のアプリ開発はこれにあわせた動きで、地方創生モデルとしての可能性も検証する。
富士通グループではすでに、旅の計画段階をサポートする「東北桜旅ナビ」の提供を開始。今回は、その前段のきっかけづくりとなる「日本酒のラベルをコレクションするアプリ」と、旅行中に行きたい場所まで案内する「旅をナビゲーションするアプリ」を開発する。
このうち「旅をナビゲーションするアプリ」では、GPS機能を活用。現在地から、アプリに登録された桜の名所や酒蔵などへ、ルートを自動的に作成する。登録情報は桜の名所108か所、酒蔵80か所で、映像やテキストで紹介。ARも活用し、スマホを空間にかざすと目的地への距離や方角を表示し、訪問履歴も残せるようにした。掲載するコンテンツは専用画面から随時更新が可能で、協議会が担当する。同アプリは2016年4月から提供する予定だ。
一方、「日本酒のラベルをコレクションするアプリ」は実証実験を行なう。アプリでは、購入、または飲食店で注文した日本酒のラベルを撮影して登録することで、自分だけのコレクションができるようにする。登録したラベルの日本酒については、その歴史や由来などの商品情報に加え、周辺の名物料理、名産品、観光スポットなどの情報も表示。コレクションを通じて東北への関心を高め、旅行や特産品購入の増加を目指す。実証実験は2015年12月上旬からの1年間で、同アプリでは25か所の酒蔵を対象とする。
なお、東北・夢の桜街道推進協議会には、富士通グループを含め行政や交通機関、観光関連企業など全55会員が参加。観光振興による東北の地域づくり運動を推進している。