日本旅行業協会(JATA)会長の菊間潤吾氏は、2014年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。
所感で同氏は、2014年は海外渡航自由化から50周年、ツーウェイツーリズムを促進し産業としての旅行業の競争力を高めていく方針を改めて強調した。
発表された年頭所感は以下のとおり。原文のまま掲載する。
(写真:2013年11月撮影)
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謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年は、東京でのオリンピック開催が決定して東京を中心に国内旅行が大きな盛り上がりを見せました。訪日旅行客もいよいよ1000万人を超えました。所得の増加の著しいアジアを中心とした大交流時代の幕開けを実感しています。
本年4月1日には、1964年の海外渡航自由化から50周年を迎えます。日本人の海外旅行に旅行会社が果たしてきた役割に改めて注目し、未来に向け、日本が観光先進国としてアジアにおける観光をリードし、日本の観光産業がアジアの成長を取り込めるよう、ツーウェイツーリズムを促進し、産業としての競争力をさらに高めていきます。
昨今はWEB上の取引が大きく拡大しており、旅行業においても例外ではなく諸外国との厳しい競争にさらされています。グローバル化を推進するために、安心安全の旅の提供を基本に、消費者との関係を見つめなおし、日本の旅行業を規定している旅行業法や約款を見直すための準備をすすめています。一方で、法的な規制のない訪日旅行の取り扱いについては、旅行会社を対象とした、法制度によらない自主的な認証制度としてツアーオペレーターに対する品質認証制度を昨年発足させました。二年目にあたる今年度は、日本ブランドの確立のため、さらなる充実をはかり、訪日旅行客2000万人時代に向けて、旅行会社の取扱拡大に向けた取り組みを強化していきます。
また、WEBは、消費者による情報入手を容易にしました。旅行会社には、溢れる情報に翻弄されることなく、より高いプロフェッショナルとしてのスキルが求められています。セミナーや講習などに加えてWEB研修のシステムを導入することで、いつでもどこでも最新、最先端の情報が入手できるようにします。会社の規模の大小を問わず競争できる環境を整えて旅行業界全体を活性化していきたいと思います。インターンシップ事業や合同就職説明会などを通じ、優秀な人材の獲得にも努めていきます。
最後になりますが、日本の、そして旅行業界の発信力を強化する取組みについてご紹介します。本年は、日本観光振興協会の「旅フェア日本」と「JATA旅博」がひとつになり、「ツーリズムEXPOジャパン」に生まれ変わります。観光庁が主催する「VISIT JAPAN トラベルマート」も同時開催が決定しており、まさに日本をあげての取組みとなります。JATAは、国連世界観光機関(UNWTO)と連携して、積極的に世界へむけて日本を発信していきます。
本年もより一層のご指導とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。