近畿日本ツーリスト(KNT)は、修学旅行向けのリアルタイム位置情報システム「CCRy(ククリ)」の本格販売を開始した。「Cloud Control1ed disaster Reduction system」の略で事故や災害発生に対応しGPS位置情報を利用してリアムタイムに位置を把握するシステム。GPS搭載スマートフォンとタブレット端末向けのアプリケーションで、京都大学学術情報メディアセンター美濃研究室と復興教育支援ネットワークと連携して開発した。
「CCRy(ククリ)」は、修学旅行中の生徒の位置をリアルタイムに把握する事で、平時・災害時ともに旅行中の生徒の安全を確認するためにデザインされている。自主研修中の生徒の位置を常に教員が把握することで、問題発生時に生徒の安全確保をサポートし、災害時には生徒に避難所情報を配信して避難させる。また、教員による生徒の安否確認を行うことも目的としている。
位置情報はリアルタイムに収集され、30秒ごとにサーバーに送信、旅行期間中蓄積されるので、遠隔地からの生徒の位置情報を得ることも可能だ。引率教員が生徒の安否を確認できるよう、同報メールとIP電話機能も搭載している。ポイントは以下の通り。
- 1 秒毎にGPSデータを取り、30秒ごとに教員用のタブレットにGPSデータを送信。
- 災害時は生徒用スマートフォンに避難所を常に表示。
- 安否情報確認メールを一斉または班毎に送ることが可能。
- 通信回線が不通の場合に備え、IP電話を搭載。
なお、「CCRy(ククリ)」は2013年秋に京都で試験運用を開始以来、修学旅行の人気観光地の避難所登録を進めてきており、KNTは初夏と秋の修学旅行シーズンに向けてさらに販売を強化する考えだ。また、京都大学によると、研究では、のべ12校200グループ以上の学校や修学旅行生の協力を得たという。