アジア8地域の訪日旅行、不満のトップは「英語の通用度」28% -日本政策投資銀行

日本政策投資銀行がアジア8地域で実施した訪日外国人旅行者の意向調査(2014年度版)で、旅行したい国・地域として「日本」と回答した人が55%と最も多く、前回(52%)、前々回(47%)調査よりも人気が高まっている結果となった。地域別では台湾(71%)、香港(66%)、マレーシア(59%)の順で、韓国を除いてすべての地域で1位に。中国は55%となり、前々回よりも10ポイント以上、訪日旅行の意欲が改善した。その他、調査概要は以下の通り。

※調査は2014年9月9日~9月16日まで、アジア8地域(韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア)で実施。対象者は20~59歳の海外旅行経験者の各地域500名、計4000名。


▼実際はパックツアー参加が約7割

ネット予約が主流でOTA利用は約4割

希望する海外旅行のスタイルは地域によって差異があるものの、全体的には「少人数での旅行」や「事前に細かく予定を立てた旅行」の意向が高かった。実際の訪日旅行の形態は、業務渡航やMICE、留学を除くと、「自由行動日のないガイド付パックツアー」が35%と最多で、「自由行動日のあるガイド付パックツアー」と「航空券とホテルのみのパックツアー」の各17%をあわせると、パックツアーの意向が約7割にのぼる。

地域別では台湾(45%)を筆頭に香港、シンガポール、マレーシア以外の国で「自由行動日のないガイド付パックツアー」が最多。「航空券とホテルを個別に手配する」は全体の26%で、シンガポール(45%)、香港(32%)、マレーシア(31%)でトップとなった。

また、パックツアー以外の旅行ではインターネット予約が67%と主流。オンライントラベルエージェント(OTA)の利用が37%と最多で、タイ(53%)のほか中国(50%)も5割を超えた。


▼訪日旅行の不満・不安は、「言葉」「費用」「通信」の“旅行する環境”

このほか訪日旅行の経験者に「不満だったこと」を聞くと、「英語の通用度」が最多で、初めての訪日旅行者で24%、2回目以上だと28%が不満と答えた。その他、「母国語の通用度」「旅行代金」に加え、「ギャンブルやショー体験」「ナイトライフ」など、夜のエンターテイメント系のコンテンツの不足があげられた。また、ショッピング需要の高い中国では外貨両替に対する不満も高い。

訪日旅行の未経験者を含む全員に聞いた「訪日旅行の不安材料」では、言語や費用、通信などの「旅行する環境」に加え、「放射能による健康被害」「地震が起こるかどうかの心配」も上位に上がった。イスラム圏では「食べ物があわない」ことへの不安も高い。また、「交通機関」など多くの項目は訪日旅行経験が上がるにつれて不安が減少する傾向があるものの、「通信環境」は訪日回数が多い方が不安が高くなるケースも見られた。

▼日本ほどオリンピックは意識していない?

東京オリンピック開催に向けて訪日旅行者の増加が期待されているが、対象者に今後の開催都市を聞いてみると、「知らない/関心がない」が圧倒的多数だった。その割合は、2016年夏季のリオデジャネイロ大会は男性53%、女性63%、2018年冬季の平昌大会は男性63%、女性68%、2020年夏季の東京大会は男性62%、女性70%で、半数以上が意識していないことが判明した。ただし中国は夏季オリンピックの人気が高く、東京大会についても「国・都市ともに知っている」と「知らない/関心がない」の割合はほぼ同程度だった。

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