旅行ビジネスが変わる?アマデウスの新サービスが生む「新たな価値」を考えてみた[PR]

アマデウス・ジャパンは、旅行の予約から発券までをネット(ブラウザ)上で完結できる「Amadeus Selling Platform Connect」をリリースした。このシステムは、事前にインストールする必要なく、IDとパスワードがあればネット環境でGDS操作が完結するもの。従来の "端末" という概念や、特定のPCでの操作という概念から解き放たれることになる。

端末から「解放」された旅行手配業務の先に、新たに発生するものは何なのか。あらゆるデバイスやブラウザに対応するシステムが、はたして旅行ビジネスの中で、どんな価値をもたらすのかーー? その可能性を消費者とビジネス両側面のトレンドから考えてみた。


▼旅行予約をとりまくトレンドとは?

WS000202近年、一般消費者と旅行会社の予約の垣根が見えづらくなっている。ネットが普及し、パソコンやスマホを使った旅行予約が一般化しつつあるのはご存じのとおりだろう。

消費者がインターネットで旅行予約を行う利点は、時間や場所を問わずに「ネットワークさえあれば、いつでも・どこでも空席確認や予約、変更やキャンセル処理ができる」ことにつきる。スマートフォンを片手に、自分の都合に合わせて電車の中や待ち時間の合間に「さくっと」旅行予約が行える。

企業の出張手配を行うBTM(Business Travel Management)の分野では、単純な出張手配やコスト一元管理から、新たなステージに進化。たとえば出張者が持参するスマートフォンのGPS機能を通じて企業が出張者の所在確認、情報のプッシュ送信、場合によっては命に係わるような緊急情報をプッシュ配信するといったこともできるようになった。

これらは、世界中でWi-Fi接続環境が整いつつあること、テクノロジーの進化による恩恵といえるだろう。

このようなトレンドを受け、旅行会社が提供するサービスの本質やそこに求められるニーズ自体が変わっている。予約という作業にたいする対価を徴収する「代理業」ではなく、より顧客に近づき、顧客の目的に柔軟かつ効率的に対応できる「コンサルティング力」が求められるという考え方だ。

そして、優れたコンサルティング力を持つスタッフの対応が、顧客の満足感を高める傾向がみられる。旅行会社の満足度を調査した結果では、満足度の理由上位は旅行商品の条件や価格でなく、旅行会社スタッフの「信頼性、安心感、対応の良さ」であることも証明されている。

顧客との距離をより縮めることでリスクや企業の社会的存在意義も変わっていく。消費者や投資家などに向けたCSR(社会的責任)への取り組みかたも見直す必要が出てくるだろう。そして、さらに手厚い規範作りも求められることになる。これは、顧客に対して安心・安全なサービスを提供するための背景として欠かせない。

アマデウスが経産省と進めた旅行会社向けのCSRプロジェクトの背景は、ここにもあるといえるだろう。エコツアーなどで特別な印象を与えるだけでなく、旅行者や出張者から目に見える実質的なCSRを旅行会社が提供することはブランディングにもつながりそうだ。

▼世界のビジネストレンド:BYOD浸透でデバイス依存型業務から脱却

WS000201次に、ビジネスの現場でのトレンドをみてみよう。デジタル世代が中堅層になっていくことを背景として「BYOD(Bring your own device:自分のデバイスを職場に持ち込んで利用すること)」への取り組みが高まりをみせつつある。2013年のデータではあるが、NTTデータ経営研究所の調査によると、BYODとして何らかのデバイスの使用を許可している組織は約43%、実際に何らかのデバイスを利用しているユーザーは約47%という数値もある。

こうした動きに伴い、従来は職場のパソコンを「自宅に持ち帰り」していた動きは、セキュリティリスク回避の意味でもナンセンスなものとなりつつある。データのクラウド化が前提となり、重要なデータを持ち歩くのは盗難・紛失の危険性があり、情報流出ともなりかねないからだ。

また、さまざまなデバイスが加速度的に登場する昨今、働くスタッフの世代や個性によって使い勝手の良いデバイスも異なっている。個性にあったデバイスの利用は、スタッフの仕事に対する満足度や生産性の向上につながり、コスト削減につながるという説もある。

さらに、欧米では旅行ビジネスの特定分野に通じた経験者を業務委託契約者として雇用する「ソリスター(成果報酬型スタッフ)」制度も浸透。この流れからも「仕事は会社のパソコンで行う」意識は「自分が持つデバイスで行う」方向にシフトし、システムやソリューション側もその対応を急ぐことになると予想される。


Amadeus Selling Platform Connectの実際の画面。

こういった流れは、デバイスの所有者に依存する状態からの解放だけでなく「この仕事はパソコンで」「このサービスはスマホで」といった、デバイス依存型業務からの脱却も示唆する。ワークフロー自体が変わっていくということだ。

一般ビジネスマンの常識が変化していけば、出張者が旅行会社に求める手配のスピードや質が変わって来るだろう。消費者がテレビを見ながらスマホでコミュニケーションをとり、タブレットで動画を閲覧するといった行為を自然に行うように、ビジネスシーンでも顧客と対面しながら即時の予約や変更、情報提供を自然に求められるようになる。

「顧客と対面しているときには一緒に画面を見てコミュニケーションをとりたい」「急ぎの対応は、自分のデバイスを通じて速やかに行いたい」「オフィス以外の場所でもリアルタイムにマーケットデータを閲覧したい」といった業務上のニーズがすでに発生しているのではないだろうか。

コマンド画面も用意されている。

旅行業スタッフが複数のデバイスを横断して利用し、時にはTPOに応じて使い分けを行い、時には同じ業務を異なる環境で実行することが求められる時代に、アマデウスが新たに提供するサービスでシステム自体をウェブ化・複数デバイス対応を前提としたものになったのは必然のことといえるのだろう。

アマデウスが新製品に世界・日本ともに主流になりつつある2段階認証を取り入れているのは、こうした顧客のニーズを念頭にいれてのことだという。普段オフィスで使う場合は、IDとPWだけで稼働し、外出先や自宅など違うデバイスやネットワーク環境で利用する際には2段階認証(2回目の認証)が稼動、様々なリスクに備えてセキュリティを高めている。


▼GDSのウェブ化で生まれる新たな価値

WS000200このように旅行とビジネスをとりまくトレンドから考えていくと、アマデウスがリリースした「固定GDS端末から解放」するサービスは、旅行ビジネスに関わる企業や顧客にとって有効なターニングポイントといえる。

GDS機能が完全ウェブ対応となり、あらゆるデバイスで安全に利用できるようになれば、単純に考えても顧客と旅行会社スタッフにとっての「待ち時間」が減り、業務効率とサービス向上につながることは容易に想像できる。

また、危機管理の側面で、これまで顧客をサポートするためにとってきた旅行業の体制も大きく変えることができる。深夜や緊急事態に対応する人員配置の体制で、スタッフの自宅をオフィスに変えることができるのだ。

インターネットが市民権を得はじめた頃、人々は「これで世界が近くなる」「時間と距離が縮まる」と期待した。そして、旅行業に携わる人々は文字通り「人が行動する距離と時間」を預かるビジネスの専門家といえる。システムが柔軟性を持ちテクノロジーによる障壁(バリア)が低くなるぶん、長い間培われてきたすばらしい専門性をここで最大限活かさない手はない。それにより、旅行会社が顧客の求める品質以上のサービスを提供できるようになっていくに違いない。

すでに、次の時代への動きも活発化している。「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」という言葉に象徴されるように、今後はスマートフォンの普及だけでなく家電や医療機器、文具などさまざまなモノがネット接続されていく。さらに。2020年のオリンピックイヤーに向け、国内でのネット環境強化が加速し、情報化は加速的に進む。予約手配ツールはさらに氾濫していくことだろう。

こうした意味で、アマデウスが提供を始めた「Amadeus Selling Platform Connect」は、時代に即したサービスとして、遠くない将来には一般化していくことと考えてよいだろう。「安心感」「専門性」「柔軟」「迅速な危機管理」など、プロの技を顧客に提供するツールとして活用しない手はない。

(トラベルボイス企画部)

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