沖縄県は、2021年に観光収入1兆円、入域観光客数1000万人などの数値目標を掲げた第5次沖縄県観光振興基本計画の実現に向け、「沖縄観光推進ロードマップ」を策定した。官民の関係機関が目標を共有しつつ、中長期的、段階的に施策を推進するための基本資料とするもの。現在の約2.2倍の観光収入と1.5倍の入域観光客数の達成のための誘客戦略を確立するとともに課題等を洗い出し、関連施策を体系化して最適化を図っていく。
数値目標の必須要件としては(1)需要の獲得(誘客)、(2)航空座席数増加、(3)宿泊供給量増加、の3点を重視。
このうち、(1)の需要の獲得では、市場別の誘客目標を段階的に設定。ファミリーや挙式、スポーツ、MICEなどの既存需要の拡大と確保に努めつつ、国内では「富裕層」や国内線で沖縄を訪れる「トランジット外国人客」、「沖縄旅行未経験者」、「業務渡航者」、海外からは「東南アジア」、「欧米リゾート需要」、「富裕層」をターゲットに、新規需要の獲得にも努める。
(2)の航空座席数の増加では航空会社や地方空港へのプロモーションとともに着陸料の軽減措置も要請して活用。(3)の宿泊供給量の増加では、客室数の増加とともに単価を向上させる方策を重視する。特に誘客ターゲットである富裕層向けの高価格帯宿泊施設の増加と関連サービスの供給にも取り組む。
これらを含め、那覇以外を含む空港や22万トンクラスの寄港が可能な港湾の整備、さらには県内2次交通の整備、大型MICE施設やテーマパークの誘致・整備、観光プログラムの拡充と質の向上、人材育成など、受入体制の構築戦略を図っていく。
なお、第5次沖縄県観光振興基本計画では「県民の豊かで文化的な生活の安定確保に寄与する」ことを観光振興の意義とし、「持続的・安定的かつ質の高い世界水準の観光リゾート地」を目指す姿としている。そのため、目標を達成した状態を持続することに留意し、「持続可能な観光リゾート地の形成」に向けた施策についても考慮するとしている。
沖縄観光推進ロードマップ
http://www.pref.okinawa.jp/site/bunka-sports/kankoseisaku/kikaku/report/policy/documents/okinawakankouroadmap_20150327.pdf