観光白書2015、宿泊施設の客室稼働率が過去最高、国内旅行は減少も外国人増加で宿泊者数はプラス

政府は2015年6月9日、平成27年(2015年)版観光白書を決定し、観光庁のホームページで公開した。観光白書とは、観光の状況や政府が講じた施策、及び今後の施策について、国会に報告するもの。今回は、(1)2014年度の国内外の観光の動向、(2)近年のインバウンド消費拡大の要因の分析やインバウンド消費を取り込むための各産業、地域の取組等、を重点的に記載した。

このなかで、2014年の国内旅行で日帰り旅行が前年比1.8%減の3億449万人、宿泊旅行が4.0%減の3億771万人に減少。2011年から続いていたプラス推移はマイナスに転じた。この要因として観光白書では、消費増税や物価上昇、天候不順等の影響を上げている。

ただし、延べ宿泊者数は1.4%増の4億7232万人泊と増加。日本人の減少(1.1%減の4億2750万人)を外国人(9.5%増の4480万人)が補っており、2014年の国内旅行市場の成長はインバウンドが牽引したことが明らかとなった。

観光庁「平成27年版観光白書について(概要版)」より

全国の客室稼働率も58.4%と調査開始以来過去最高を記録。特に東京都は2011年の68.0%から81.5%、大阪府は68.2%から81.4%と8割を超えた。その一方で47都道府県の稼働率の標準偏差は7.7%から10.2%に拡大し、地域差が広がったことを指摘している。

なお、2014年度に講じた施策は「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」に沿って記載。2015年度の施策は6月5日に発表した「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015」を踏まえて記載した。2015年のアクション・プログラムについては以下の記事を参照。平成27年(2015年)版観光白書は最下段にリンクへ。



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