博報堂はこのほど、ASEAN7都市の女性を対象とした消費意識に関する調査結果をまとめた。5年間にわたって15歳から54歳までの中・上位収入層女性1万943名を対象にした調査で、消費意識に関する設問への回答を消費の計画性やブランドへのこだわりなどに着目して分類した。
それによると、女性の社会進出と自立が進むベトナム・ホーチミンシティでは、衝動的な買い物やブランド志向傾向が強い「高感度な自己表現派」が41.0%で最多となった。一方、出生率が高く家族を重視する傾向が強いインドネシア・ジャカルタでは消費行動も「家族コミュニティ優先派」が40.3%とトップとなっている。
今回調査対象となった地域は、シンガポール、マレーシア・クアラルンプール、タイ・バンコク、フィリピン・メトロマニラ、インドネシア・ジャカルタ、ベトナム・ホーチミンシティ、ミャンマー・ヤンゴンのASEAN7都市。調査期間は2010年から2014年までの5年間にわたって行った(ヤンゴンのデータは2013年のみ)。
結果分析に用いた分類は、「計画的な消費と衝動的な消費」(下図の横軸)、ブランドへの関心の高さと低さ(下図の縦軸)に注目してマップできるよう配慮。ブランド志向が強くすべての分野での消費活動が活発な「ブランド志向コスモポリタン」、購入価格や消費計画性を重んじる「賢く手堅い合理派」、個人よりも家族を重視した消費活動を行う傾向が強い「家族コミュニティ優先派」、欲しいものを衝動的に購入する傾向が強い一方でブランドへの関心は比較的低い「移り気なトレンド・フォロワー」、行動的で新商品志向も強い「高感度な自己表現派」の5分類を採用した。
全体では「家族優先派」が25.4%、「移り気なトレンド・フォロワー」が24.8%とそれぞれ1/4を占めたほか、「ブランド志向コスモポリタン」は9.7%で一割弱にとどまった。
また、7都市の中ではシンガポール(14.2%)、メトロマニラ(16.8)ではブランド志向が比較的強い結果となったほか、メトロマニラでは「賢く手堅い合理派」が33.5%でもっとも多く、「移り気なトレンド・フォロワー」に該当する女性は、バンコク(33.5%)やジャカルタ(34.6%)が比較的多い結果となっている。
7都市全体の傾向は以下のとおり。