オンライン宿泊予約サービスを提供するブッキングドットコム(Booking.com Japan)は、このほど日本国内で参画する宿泊施設を対象に「Booking.com感謝の夕べ」を開催した。同社は、これまで日本では大きなイベントやマーケティング活動はごく一部に限られていたが、今後はマーケティング体制を強化。日本市場で存在感を示していく方針だ。
イベントで登壇した北アジア地区リージョナル・ディレクターのジェームス・ホワイトモア氏(写真右)は、日本の事業展開では市場に合致した拡大施策を図っていることをアピール。2009年に日本で事業を開始してから6年で、5事業所・従業員数約200名・参画施設が6800件超の規模に拡大しているという。
特に、ふたつある東京のオフィスのうち、ひとつはカスタマーサービス専用のオフィスで宿泊施設や旅行者からの問い合わせに対応している。ホワイトモア氏は、「(日本では適切な)日本語対応が求められている」と語り、同社が成功のカギとするローカライゼーションのひとつであり、他社と差別化できる点であることを強調した。
2015年に日本地区リージョナル・マネージャーに就任した勝瀬博則氏は、日本の「観光立国に貢献したい」として同社の強みが外国人旅行者を集める集客力であること改めて説明。また、宿泊施設が同社サイトを活用して利益を拡大していくためのポイントを紹介した。
- シンプルな価格設定を(価格の多様化はユーザーが他施設に流れてしまうため)
- こまめな在庫設定とレベニューマネジメントの実施すること
- 画像とクチコミ(レビュー)を重視すること
- 9か月前と直前の2回の予約ピークを意識すること
こうしたポイントを有効に活用していくため、同社は新たなサービスを日本でスタートさせる。ひとつは、レベニューマネジメント実施のために契約宿泊施設に公式サイトを運営するスキームを提供する「Booking Suite」。もう一つは、スマホを使った直前予約に対応するアプリ「Booking Now」だ。特に、同社ユーザーの15%が48時間以内の宿泊を予約する傾向があるといい、勝瀬氏は外国人旅行者の取込みに有効なツールとなることを強調した。
直前予約アプリ「Booking Now」は、トラベルボイスが実施したブッキングドットコムを構成するプライスライン・グループ副社長もインタビューで紹介。スマホを片手に旅にでる旅行者の行動に対応したものだ。
関連記事>>
トラベルボイス編集部:山岡薫