観光庁は、主要旅行業者49社の旅行取扱状況速報(2015年5月分)を発表した。それによると、海外、国内、外国人旅行を合わせた5月の総取扱額は、前年比3.5%増の5420億9702万円だった。海外旅行が前年比9.2%減の1552億6592万円でマイナス遷移となった一方で、外国人による訪日旅行は同45.4%増の150億7221万円、国内旅行も同8.6%増の3717億5889万円とプラス遷移を示した。
旅行会社別、海外旅行取扱額上位5社の直近12か月推移比較グラフは以下のとおり。上位5社(JTB、H.I.S.、阪急交通社、KNT-CT、日本旅行)のうち、H.I.S.のみが前年比1.5%増を示し、ほか4社は前年比マイナス推移で継続した。
旅行会社別、外国人旅行(訪日旅行)取扱額上位5社の直近12か月推移比較グラフは以下のとおり。1位は引き続きJTB、2位日本旅行。また、3位H.I.S.は前年比98.1%増の大幅な伸びとなり、2位日本旅行に近づく勢いを見せた。4位はKNT-CT、5位は東武トップツアーズ、6位は楽天で、引き続き5位と6位が拮抗する状況となっている。
旅行会社別、国内旅行取扱額上位5社の直近12か月推移比較グラフは以下のとおり。上位5社(JTB、楽天、KNT-CT、日本旅行、ANAセールス)のうち、上位4社はそろって前年比プラス遷移となった。ANAセールスは前年比マイナス0.3%で微減となったものの前月6位から5位に浮上、前月5位の阪急交通社は前年比4.7%減で6位となった。
なお、東武トラベルとトップツアーの合併により、2015年4月度から当統計の対象となる企業数は合計49社となっている。また、2015年4月より阪急交通社の実績はグループ3社(阪急交通社、阪急阪神ビジネストラベル、阪神トラベル・インターナショナル)の社内取引を相殺した数字が採用されている。
旅行商品ブランド全体の取り扱い状況
旅行商品ブランド(募集型企画旅行)では、5月の総取扱額は前年比1.6%増の1322億4202万円、取扱人数合計は同0.6%増の301万6899人といずれも微増を示した。そのうち、海外旅行は前年比9.3%減の491億4415万円でマイナス推移。外国人旅行は同43.9%増の6億28万円、国内旅行が同9.1%増の824億9759万円でいずれもプラス遷移となった。
取扱人数は、海外旅行が前年比9.6%減の22万5871人、外国人旅行は同62.4%増の3万5936人、国内旅行は同1.1%増の275万5092人となっている。特に外国人旅行では人数の伸びに対して取扱高の伸びが低めとなっている状況がみられる。
方面別の全体傾向
旅行会社へのヒアリングによれば、外国人旅行では引き続きビザ緩和策の奏功などによって東アジアや東南アジアからの旅行者増が好調、国内旅行では関西方面と北陸方面が好調となっている。一方で、海外旅行ではヨーロッパ方面の落ち込みが影響し、引き続き低調となった。
(トラベルボイス編集部)