ANAホールディングスが発表した2018年3月期(2017年4月1日~2018年3月31日)連結業績は、売上高が前年比11.7%増の1兆9717億円、営業利益が13.0%増の1645億円、経常利益が14.4%増の1606億円、当期純利益が45.6%増の1438億円で増収増益だった。
ANAによると、主力事業の航空事業で特に国際線が旅客と貨物ともに好調に推移。連結子会社化としたLCCピーチ・アビエーションの収入も加わり、営業利益と経常利益、当期純利益はいずれも3期連続で過去最高を更新した。ピーチ・アビエーションや同じくLCC子会社のバニラ・エアの収入、機内販売、整備受託収入やマイレージ付帯収入などで構成される航空事業その他の収入は、前年比36.9%増の2859億円となった。
セグメント別でも、航空事業が売上高12.6%増の1兆7311億円、営業利益12.4%増の1568億円と牽引した。旅行事業のみ、売上高が1%減の1592億円と微減となり、営業利益は前年同の37億円。
航空事業・旅客部門の結果は以下の通り。
国際線:旅客収入が806億円の増収
国際線では、日本発ビジネス需要の好調な推移と旺盛な訪日需要の取り込みに成功。特に、8月には羽田/ジャカルタ線、10月には成田/ロサンゼルス線を1日2便に増便し、首都圏発のビジネス需要と国内の地方空港やアジア/北米間の接続需要の取り込みを図った。
一方、新規需要の獲得にも注力。ホノルル線にはフルフラットシートのビジネスクラスとプレミアムエコノミーを搭載。また、訪日需要のさらなる喚起に向けたプロモーションも強化した。
これらの結果、国際線収入は前年比15.6%増の5974億円となり、806億円の増収に。旅客数は6.8%増の974万人、利用率は0.5ポイント増の76.3%だった。
国内線:旅客収入が1.7%増の6897億円
国内線では、10月の台風、1月と2月の降雪など、悪天候の影響を受けたが、需要に応じた各種割引運賃の設定や訪日需要の取り込みで、旅客数と収入ともに前年を増加。路線面では6月に中部/宮古線を新規開設、夏期の一部期間で羽田/沖縄線のギャラクシーフライト、冬期スケジュールからの広島空港の運用時間延長に合わせ、羽田/広島線の最終時間帯を増便した。
一方、サービス面では9月から運航を開始したエアバスA321neoで前世金タッチパネル式パーソナルモニターを完備。10月からプレミアムクラスで、羽田発着の一部路線のメニューを一新し、昼食の提供時間を広げるなど、機内サービスも拡充。11月には出発カウンターに自動手荷物預け機のサービスを導入するなど、利便性の向上にも努めた。
これらの結果、旅客収入は1.7%増の6897億円となり、114億円増収。旅客数は2.8%増の4415万人となり、利用率は2.9ポイント増の68.9%だった。