JALグループが発表した2018年3月期(2017年4月1日~2018年3月31日)の連結業績は、グループ連結売上高が前年比7.3%の1兆3832億円、営業利益が2.5%増の1745億円、経常利益が1.1%減の1631億円、当期純利益は17.5%減の1354億円となった。
緩やかな景気回復傾向が続き、航空需要は国内旅客と訪日外国人を中心に堅調に推移。一方、コスト面では原油価格がOPECの協調減産期間の延長や地政学リスクを受けて上昇した。
航空運送事業でみれば、営業収益は8.4%増の1兆2572億円、営業利益は5.3%増の1612億円。また、その他事業における旅行会社ジャルパックは、国内旅行の取扱人数が1.4%増の251万人、海外旅行が4.2%減の23万1000人で、営業収益は1.5%増の1751億円だった。
航空輸送事業の結果は以下の通り。
国際線:有償座席利用率が過去最高、旅客収入が2桁増に
国際線では日本発の堅調な需要と海外発の需要が好調に推移。路線展開では、9月に成田/メルボルン線、成田/コナ線を開設したほか、10月には羽田深夜便で羽田/ロンドン線を増便。日本発のレジャー、ビジネス双方の需要獲得を行なった。このほか、べトジェットやハワイアン航空やアエロメヒコ航空、アエロフロート・ロシア航空などとのネットワーク拡充に向けた提携開始で合意した。
商品面では、JAL SKY SUITE機材で新たにJAL SKY SUITE787を導入。機内食では日本最大級の料理人コンペティションのグランプリを含む歴代ファイナリストの監修メニューを、日本発中・長距離路線のエコノミークラスやプレミアムエコノミークラスで提供した。
これらの結果、旅客数は前年比2.3%増の858万人、有効座席キロベースは2.4%増。有償座席利用率は0.8ポイント増となり、過去最高の81.0%を記録した。旅客収入は11.5%増の4629億円となった。
国内線:旅客数が4.5%増、収入は3.9%増に
国内線では、特に地方への展開が顕著。路線展開では伊丹空港発着のエンブラエル190型機の路線拡大など、地域ネットワーク路線の利便性向上を実施。
営業面では、トリップアドバイザーとの協業による特集サイト「Untold Stories of Japan(知られざる日本)」の開設で、訪日旅行者向け国内運賃の提供とあわせ、海外から各地を訪れる機会創出に努めた。また、民泊・百戦錬磨との資本・業務提携により、民泊と航空を組み合わせた旅行商品の設定を拡充するなど、観光産業にかかわる異業種連携も進めている。
このほか、JAL SKY NEXT運航便で機内Wi-Fiサービスの無料提供を開始し、旅客の快適性・利便性の向上に努めた。
これらの結果、旅客数は前年比4.5%増の3403万人、旅客収入は3.9%増の5182億円となった。有償座席利用率は2.5ポイント増の71.8%だった。