旅行予約に影響するビジュアル要因とは? 世界25カ国の調査結果を発表、選定ポイントは「場所ではなく、体験」など4つ

ゲッティ・イメージズの画像・動画素材サイト、アイストック(iStock)がこのほど実施した調査「ビジュアルGPS」リサーチによると、旅行者の予約・購入決定に大きな影響を与えるのは静止画像よりも動画で、自分を投影しやすいビジュアルへの関心が高い傾向が明らかになった。

このリサーチは、アイストックが日本を含む世界25カ国の7000人を対象に、旅行マーケティングにおける購買決定に、画像や動画がどのように関与しているかを調べたもの。対象国は、オーストラリア、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、シンガポール、英国、米国など世界25カ国。

まず、回答者の75%は、旅行や観光の広告・PR画面を見た時、自分自身や家族、友人と似たような人物や、自身が楽しんでいる姿をイメージしやすい状況が描かれているビジュアル・コンテンツに惹かれると答えた。

ただし、回答には年齢による違いも見られた。全体では、「手ごろな価格の体験」を探しているとの回答が全体の75%を占め、「贅沢な休暇、豪勢な買い物」(15%)は少数派だったが、X世代やベビーブーマー世代に限ると前者への支持は80%。これに対し、Z世代やミレニアル世代では同68%だった。同社では、年齢が高くなるほど、自身が無理なく共感できるビジュアル・ストーリーを求める傾向が強くなると分析している。

また、ベビーブーマー世代では10人に6人が、観光客の姿よりも、地元の人々の姿があるビジュアルを好む傾向が強かったが、Z世代で同様の嗜好を示した回答者は10人中4人にとどまり、本物の体験やローカルとの交流への関心には、年齢との相関関係が見られた。

コンテンツ形式の中で、もっとも好まれていたのは動画だ。写真が重要だとする回答も全体の30%を占めたが、これを上回る53%の回答者が動画コンテンツを支持。旅行先デスティネーションの美しい景色から体験アクティビティのスリルや充実感まで、より臨場感が伝わり、旅行者の興味関心を強く引き付けられることが理由としている。

こうした結果を踏まえて、アイストックでは、よりインパクトのある旅行マーケティング用ビジュアル・コンテンツを選ぶためのアドバイスを4つ提言した。

  • 場所ではなく、体験をビジュアル化する:デスティネーションの象徴的な景色より、地域の文化や伝統、面白い体験の紹介に注力しよう。現実離れした理想の姿より、見る人の共感を呼ぶことを優先しよう。
  • リアルな画像を使う:本物の現地体験が伝えられるリアルな画像を使うこと。実際に現場で撮影したものには、見る人の感情に強く訴えかけて、旅行してみたいと思わせる力がある。
  • 多様性とインクルージョン:マーケティングに使う素材では、あらゆる顧客像を想定しよう。様々な背景や文化を持った人々の姿を投影することで、より多くの人の関心と共感につながる。
  • 何よりもまず動画を:動画の威力を最大限に活用しよう。見る人を画面の中に惹き込み、自分の物語としてイメージさせる効果があるからだ。視覚を通じて強く訴えかけることで、最終的には、購買へと促すことができる。

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