経済産業省は、「2022年度電子商取引に関する市場調査」の結果を取りまとめた。日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、前年の20.7兆円から22.7兆円に拡大。BtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模も、前年の372.7兆円から420.2兆円に拡大した。
また、個人間EC(CtoC-EC)の市場規模は前年比6.8%増の2兆3630億円と推計した。
EC化率は、消費者向け取引きで同0.35ポイント増の9.13%、企業間の取引きで同1.9ポイント増の37.5%と増加傾向。
消費者向け取引きを市場別に見ると、物販系分野が同5.27%増の13兆9997億円、サービス系分野が同32.43%増の6兆1477億円、デジタル系分野が同6.10%減の2兆5974億円となった。
旅行、飲食、チケット販売は外出需要の増加で大きく回復
旅行サービスの消費者向け取引きを見ると、市場規模は同67.95%増の2兆3518億円。この算出にはビジネス利用である出張は除外されている。
総務省統計局家計調査によれば、2022年の1世帯あたりの「宿泊費・パック旅行費」の年間平均支出は3万6080円と2019年と比べると42.1%の減少であったものの、前年の1万8878円と比較すると約1.9倍の大幅増加となった。
報告書では、旅行市場のインターネットの活用度はもともと高く、オンライン販売比率は年々増加傾向にあったが、コロナ禍によってその購買行動の変化が加速。旅行サービス事業者も実店舗を閉鎖しオンラインへシフトするケースが増加していると指摘している。
このほか、飲食サービスは同33.69%増の6601億円、チケット販売は同73.89%増の5581億円。いずれも、コロナ後の外出需要の増加と共に大きく回復した。