米運輸省、大手航空会社の会員プログラムを調査、積算マイルの価値低下に懸念【外電】

米運輸省は、大手航空会社4社に対して、ロイヤルティプログラムの調査に乗り出した。この調査は、航空会社間の競争環境が弱まり、選択肢が減少するなか、マイルの価値の低下、ダイナミックプライシング(変動価格制)、追加料金などがロイヤルティプログラムに与える影響を調査するもの。

ピート・ブティジェッジ運輸長官は、アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空、サウスウエスト航空に書簡を送り、ロイヤルティプログラムの実施状況、ポリシーに関するレポートを提供するよう要請した。

ブティジェッジ運輸長官は「従来の貯蓄口座とは異なり、これらの特典は価値を一方的に変更できる企業によって管理されている」と発言。また、合併によりロイヤルティプログラム間の競争と選択肢が減少する可能性があるとの懸念を表明した。統合されたロイヤルティプログラムは、移行中に特典、価値、またはステータスを失うことで消費者に不利益を生み出す可能性があるとしている。

航空大手4社の反応は?

この米運輸省の調査を受けて、米観光産業ニュース「スキフト」は、航空会社4社にコメントを求めた。

サウスウエスト航空は、積算ポイントで予約された座席が平均2倍になっているとしたうえで、「柔軟な旅行ポリシー、特典用の座席予約を提供している『ラピッドリワードプログラム』に誇りを持っている」とコメントした。

デルタ航空広報は、米運輸省からの問い合わせを認めたうえで、「デルタの『スカイマイルプログラム』の最優先事項は、意味のある特典体験を提供すること」と答えた。

アメリカン航空は、「『AAdvantage』のマイルには価値があり、特典交換は消費者にとって透明性のあるもの」との見解を示した。

ユナイテッド航空はこの件についてコメントを控えた。

ロイヤルティプログラムは、航空会社にとって最も有利な資産のひとつであることが多い。たとえば、デルタ航空はアメリカン・エキスプレスとの提携で、2024年第2四半期に19億ドル(約2755億円)の収益を得た。デルタ スカイマイルの収益も第2四半期に8%増加した。

ユナイテッド航空は、ユナイテッド・マイレージプラス・プログラムのために、220億ドル(約3.2兆円)相当の子会社を設立した。

業界団体のエアラインズ フォー アメリカは、約3000万人の米国人が航空会社のクレジットカードを保有しており、全マイルの63%がクレジットカードの利用で貯められていると推測している。

※ドル円換算は1ドル145円でトラベルボイス編集部が算出

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(Skift)」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:DOT Launches Probe Into Loyalty Programs of 4 Largest U.S. Airlines

著者:Meghna Maharishi氏


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