【年頭所感】 JTB代表取締役社長・髙橋広行氏 -国内事業の進化と「世界発・世界着」の拡大へ

ジェイティービーは代表取締役社長・髙橋広行氏の2015年年頭所感を発表した。

髙橋氏は2020年夏季オリンピック開催に向け、さらに世界が日本に注目し、相互交流や経済活動が活発化され、日本のツーリズム産業の追い風になるとの前提を指摘。円安基調の不安定要素があるものの、観光業界の「コト消費」は堅調に伸びていくと想定し、楽観はできないものの年間の旅行見通しが2014年を上回ると見る。

このなかでJTBでは、国内事業の進化とグローバル事業の成長をさらに推進。デスティネーション・マネジメント・カンパニー(DMC)をキーワードに、国内旅行と訪日旅行の共同仕入れや商品企画・造成など、地域活性化とともに未来を見据えた市場拡大を図る。グローバル事業でも「世界発・世界着」の事業拡大へ、これまで以上の投資を促進。グループの経営理念「地球を舞台に、人々の交流を創造し、平和で心豊かな社会の実現に貢献する。」の実践に向け、努力を続ける方針を示した。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。

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2015年 年頭所感

新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

当社は2020年に向けて、主なマーケットを日本を含めたアジア(グローバル)と位置づけアジア市場における圧倒的NO.1ポジションを確立し、取扱高2兆円の企業グループを目指していくという目標のもと、経営構造改革、営業推進などを進めてまいりました。昨年の4月には消費増税があり夏場の天候不順などもありましたが、2014 年の業績については、法人需要などにも支えられ堅調に推移いたしました。

また、2014年は訪日旅行者数が推計で1,300万人を超えました。2020年夏季オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで後5年となりましたが、これからさらに世界中の人々の注目が日本および東京に集中し、相互交流や経済の活動が活発になっていくことが想定され、日本のツーリズム産業にとって大きな追い風となると思います。


2015年は、昨年進行した円安基調がどのように産業全体に影響するかなどの不安定要素もあります。しかし観光業界の「コト消費」においては、消費増税も落ち着き昨年からの経済環境が継続されB/Uや夏期臨時手当等の支給額増が見込めれば堅調に伸びていくと考えられます。加えてLCCの国内外路線拡大、65歳以上の完全退職者の更なる増加などによる旅行に対する前向きな消費意欲は継続すると思われます。

今年は3月に北陸新幹線金沢開業を控え、国内旅行のお客様、訪日旅行のお客様ともに新たな「旅のルート」ができます。北陸地域に行きやすくなることで人の流れにおける選択の幅が広がり、ひいては交流人口の拡大に大きく期待ができます。また、ゴールデンウィークには5連休、そして9月にもシルバーウィークとも呼べる5連休を期待することができ、このほかにも高野山開創1,200年、7年に一度の善光寺御開帳、ラグビーワールドカップ2015イングランド大会など需要喚起案件は多々あります。訪日旅行者数も1,500万人となることが想定され、楽観はもちろんできないものの、これらの状況から年間の旅行見通しについては 2014 年を上回ると考えております。

当社では、国内事業の進化とグローバル事業の成長を更に推進します。これらの事業のキーワードはいずれもDMC*ですが、国内旅行および訪日旅行の共同の仕入・商品企画・商品造成を行うなど、地域活性化とともに未来を見据えた市場拡大を図っていきます。また、グローバル事業においても、これまで以上に人財を含めた投資を促進し、「世界発・世界着」に向けた事業拡大を図ってまいります。

当社は、ブランドスローガン「感動のそばに、いつも。」(英語表記“Perfect moments, always”)のとおり、お客様との一瞬一秒の瞬間を大切にし当社グループの経営理念「地球を舞台に、人々の交流を創造し、平和で心豊かな社会の実現に貢献する。」を実践するための努力を続けてまいります。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

JTB代表取締役社長 髙橋広行

*DMCとはデスティネーションマネジメントカンパニーのことで豊富な地域の知恵、専門性、資源を所有しイベント、ツアー、地域交流や地域活性化を企画提案する会社のことです。

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