スマホやタブレットのビジネス利用実態、中堅企業の5割以上が管理に課題 ―IDCジャパン

IT分野の調査を行うIDCジャパンは、このほど「国内企業におけるスマートモバイルデバイス管理の実態調査」の結果を発表した。スマートフォンとタブレットを業務で使用している国内企業250社を対象にその管理状況をまとめたもので、従業員1000人以上の企業の約80%がクラウドサービスなどを使って端末を組織的に管理している一方で、100人以上1000人未満の企業では約50%、99人以下の企業では約60%が「簡易的な管理をしているか、またはまったく管理していない」状況であることがわかった。

また、業務上で用いるスマートフォンやタブレットの運用に関して懸念されている点で最も多いのは「盗難や紛失による情報漏えい」(40.0%)で、「ウイルスや不正アプリケーションによる情報漏えい」(32.4%)、「運用管理の作業負担が大きくなること」(24.0%)などが続く。また、「端末の私的利用を許可する基準や範囲が定めにくい」「業務用と指摘利用のアプリやデータを区別した管理が難しい」「SNSの利用による情報漏えい」といった、モバイル端末ならではの懸念も多数みられた。

社内でのモバイル端末(スマートフォンとタブレット)運用で懸念されている項目とその割合は以下のとおり。

IDC ジャパン:報道資料より

なお、今回の調査では、業務で利用されているスマートフォンのOSは「iOS」が最も多く71.6%、「Android」が57.3%、 「Windows」が10.0%。タブレットのOSは、「iOS」が73.6%、「Android」が34.5%、「Windows」が24.9%だっ た。IDCジャパンでは、タブレット端末におけるWindowsの利用率が17.3%から24.9%に上昇したことに触れ、Windowsタブレットの企業利用が浸透し始めていると分析。

IDCジャパンでは今回の調査結果より、中堅・中小企業はモバイル管理に対する意識を高めていく取り組みを行うことが重要であり、その意識が欠如していると情報漏洩によって企業の存続に関わる事故につながってしまう恐れあると指摘。モバイル端末を業務で利用する機会は今後一層増加する傾向にあることから、企業側で各デバイスのハードウェアだけでなくアプリケーションやデータなどを組織的に管理し、運用ルールなどもきちんと定めていくことが重要になると分析している。

この調査は国内企業や組織のIT部門を対象としたもので、2014年10月にアンケートを実施。業務上スマートフォンとタブレットをを使用している250社から有効回答を得た。


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