旅行関連のセキュリティ支援サービスなどを提供するインターナショナルSOS社は、2015年9月21日からピークを迎えるイスラム教徒の聖地メッカへのハッジ(大巡礼)に伴う健康上の注意事項などを発表した。
ハッジ期間はイスラム暦(太陰暦)に即して決まるため、一般的なカレンダー(太陽暦)上では毎年時期が異なる。2015年は過去20年間のうち最も気温が高い時期に重なるという。
同社では、健常者のハッジ参加に問題はないとしたうえで、「大勢の人が集まる場は常に健康上のリスクが伴うことへの考慮が必要。今年は特にMERSコロナウイルスに注意し、また気温が非常に高くなることを想定して、適切に行動する必要がある」「高温による熱中症などの健康被害にも十分注意が必要だ」としている。
また、サウジアラビア保健省では、ガンや心臓疾患などの持病を持つ人や、妊娠中の女性、65歳以上および12歳未満の方など、健康被害を受けるリスクの高い人に対して今年のハッジを見送るように呼びかけている。
国際的な保健機関の発表を踏まえた同社による6つのアドバイスは以下のとおり。
- 一般的な衛生管理を怠ることなく、石鹸と水で頻繁に手を洗う。
- 咳やくしゃみをしている人、具合が悪そうな人とは十分な距離を置く。
- 動物に触れない。その生息地にも近寄らない。特にラクダとの接触は避ける。
- 果物や野菜は水でしっかり洗う。肉は十分に加熱処理し、乳製品は殺菌処理された乳を原料とするもののみを選ぶ。
- 使い捨ての剃刀のみを使用する、正規の認定機関に登録されている理髪店のみを利用する。
- 巡礼者は必ず最新情報にもとづく定期および必須の予防接種を受ける。ハッジ・ビザを取得するには、4価髄膜炎菌ワクチンの予防接種を受けたことを証明する証明書の提出が、渡航者全員に義務付けられている。一部の渡航者は、黄熱病やポリオの予防接種の証明書を提示する必要もある。渡航前に季節性インフルエンザの予防接種を受けることも推奨されている。