訪日旅行中の外国人が一番困ったのは「コミュニケーション」、飛行機・新幹線を「問題なく利用できた」は4割 ―観光庁調査

観光庁がこのほど実施した調査によると、訪日外国人が旅行中に困ったことの最多は「施設等のスタッフとのコミュニケーション」(32.9%)。次いで、「無料公衆無線LAN環境」(28.7%)、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」(23.6%)との結果に。一方で、「困ったことはなかった」との回答も約3割を占めた。

この調査は、観光庁がインバウンド受け入れ環境の課題を抽出するために実施したもの。2014年の同調査結果と比較すると、無料公衆無線LAN環境の問題を挙げた旅行者は17.9ポイント減少したが、「施設等のスタッフとのコミュニケーション」は3ポイント減にとどまる結果になっている。

2016年の訪日旅行中に困ったことは以下のとおり。

観光庁:報道資料より

困ったことの内訳をみると、Wi-Fi環境を利用したかったが利用できなかった場所の最多は「鉄道車内」(24.7%)、次いで「バス」(19.5%)、鉄道駅構内(18.2%)と続く。また、多言語表示やスタッフとのコミュニケーション面では、東京・名古屋・京都・大阪といった都市部の「飲食・小売店」(23.1%)が最多。続いて「鉄道駅・ターミナル」(12.2%)が挙げられた。

公共交通機関の利用で「問題なく利用できた」は、飛行機で42.4%、新幹線42.0%、新幹線以外の鉄道66.1%。ただし、新幹線以外の鉄道では、「不満はあるが利用できた」も10.8%あった。例えば乗車方法や案内看板・放送、座席予約や切符の手配、価格の高さといった複数面で不満を感じたとしている。

観光庁:報道資料より

この調査は、2016年8月から10月にわたり、国内の主な空港や港湾にてアンケート形式で実施したもの。実施場所は、成田国際空港、東京国際空港、関西国際空港、新千歳空港、福岡空港、博多港、那覇港、金沢・広島・長崎の観光案内所。回答の回収数は5332件。回答者の国籍構成比は、中国が20.1%、台湾が16.5%、韓国が14.6%、米国9.9%など。47.4%が初めての訪日旅行だった。

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