アメリカン航空は日本航空(JAL)と共同で、米・ラスベガスで開催されるデジタル系大規模国際カンファレンス「CES(Consumer Electronics Show)2020」の開催に合わせ、2020年1月4日から12日までの9日間、成田/ラスベガス間に特別直行便を運航する。同社がCESの開催に合せて特別直行便を運航するのは2回目で、さまざまな需要に対応すべく準備を整えている。
幅広い業界からの需要に応える
CESは毎年1月にラスベガスで開催されている全米民生技術協会(CTA)が主催する電子機器・技術の国際見本市。2020年の会期は1月7日から1月10日までで、展示会では多くの新製品やプロトタイプが発表される。これまでCESではCDプレーヤー(1981年)やDVD(1996年)、ハードディスクレコーダー(1999年)といった技術が発表されてきたが、近年では電子機器や家電のメーカーだけでなく、自動車メーカーや通信事業者なども積極的に出展するなど、さまざまな業界から注目される大イベントとなってきた。
こういった背景から、アメリカン航空は日本でのCESへの需要が堅調で参加企業の業種も多様化していると判断。毎年CESに絡んだ予約や問い合わせを受けるなかで、さまざまなニーズに応えるため、日本からラスベガスへの直行便をCES会期中に毎日運航することを決定し、2019年から特別直行便の運航を開始した。
初めての試みとなった2019年の特別直行便は、11日間連続で運航。ビジネスクラスとエコノミークラスの両方がほぼ満席になる日も多数あり、大成功を収めた施策となった。また、日本航空との共同運航により、地方からの需要にも応えることができたという。CES会期中のフライトは、アメリカン航空が目論んだとおりに多くの企業が利用。また、ラスベガスに直行便で行けるとあって、オフピーク時の便ではレジャー目的で渡航する乗客も少なくなかったという。
2020年は機材を大型化して上級クラスを拡充
このように旺盛な需要と利用者のさまざまなニーズに応えるため、2020年は機材を大型化する。使用機材はB777-200で、Flagship™(以下Flagship)ビジネスでは36席のフルフラットシートを提供する。ノイズキャンセリングヘッドフォンやCasper製の寝具が利用できるほか、機内Wi-Fiや、各席にはAC電源コンセントとUSBポートも完備。機内エンターテインメントをオンデマンドで楽しむこともできる。
また、日本発の機内食では日本航空の共同プロジェクトで実現した、東京・芝大門にある和食の名店「くろぎ」の黒木純シェフが監修したアメリカン航空オリジナルメニューを提供する。このメニューでは、前菜に日本の南アルプスで取れる貴重な山塩を使った、冷凍ではないチルドの生キャビアが含まれているなど、機内食とは思えないクオリティの食事を楽しむことができる。
さらに、この機材には2019年の特別直行便にはなかったプレミアムエコノミーを搭載。ゆったりとした座席で長距離フライトでも快適に過ごすことができる。上級クラスを中心に、快適性や利便性を追求したプロダクトを導入することで、CESを目的とする利用者の幅広いニーズに応えていく。
利用客から高い評価を得ている特別直行便のスケジュール
そもそもアメリカン航空がここまでCESに注目するのは、毎年多くの企業が日本各地からCESに参加しており、この時期の供給増を期待されてきたからだ。開催地がラスベガスであることから、直行便の運航とともに、ロサンゼルスやダラスといったアメリカン航空のネットワークを組み合わせることで、利用者の利便性を高めることができるという考えもある。
そして、シンガポールやバンコク、ジャカルタ、マニラなど東南アジア発のJAL運航便から、成田/ラスベガス線のフライトへのスムーズな乗り継ぎも可能。国内だけでなくこういったエリアでのニーズにも応えていく。
現時点では特別直行便の座席は、CESを目的とする顧客をターゲットに販売しているが、多くの旅行会社からレジャー商品の造成に関する提案が寄せられているという。特にオフピーク時の便については、アメリカン航空でもレジャーでの利用者増を目指している。日本発の便の場合、特別直行便を利用するとロサンゼルスを経由するよりも4〜5時間も早くラスベガス中心地に到着できる。また、帰国時も経由便と比べて余裕のあるスケジュールが組める点が、利用者から高い評価を得ている。ただし、アメリカン航空ではCES期間はホテルが早い時期から埋まってしまうため、航空便だけでなく宿泊についても早めに予約するよう呼びかけている。
CESのフライトスケジュールは以下の通り。
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お問い合わせ:アメリカン航空予約センター 03-4333-7675
記事:トラベルボイス企画部、REGION