先月開催された米国の観光専門ニュースメディア「skift(スキフト)」の国際カンファレンス「スキフト世界フォーラム2019」で、今後の消費を担うZ世代に関する調査発表がおこなわれた。
Z世代とは、1990年後半~2000年前半に生まれた、現在10代~20代前半の世代。次々と成人を迎え、今後の消費活動の中心を担う世代として注目されているが、今回の調査ではさらに、地域別に旅行の志向を調査した。対象は、英国、米国、豪州、中国、インドの5市場で、これによると同じZ世代でも、地域によって旅行の志向に大きな違いが見られたという。
例えば、「旅行に対する考え方、旅行とは?」を「必要なもの」と「ラグジュアリー」の2択で見てみると、中国は8割が「必要なもの」であったのに対し、欧米豪は7割以上が「ラグジュアリー」と回答。これは旅行の宿泊の日数が大きく関係しており、中国のZ世代は旅行を楽しみ、かつ数をこなすというトレンドが表れている。
また、「旅行体験で重要なこと」では、地元の本物の体験に関心が高いのは共通だが、「地元の人との交流」は中国とインドが8割台なのに対し、欧米豪は4~6割程度。「地域の特産のグルメ」は欧米豪も7割台と高いが、中国とインドはそれをさらに上回る9割台で、旅行先でより積極的に本物の体験を求めていることがうかがえる。
さらに、タビマエでのスマートフォンの活用では、“スマホファースト”のアジアと欧米豪で違いが鮮明に。「スマートフォンでの旅行計画」については、中国が71%、インドが67%に対し、欧米豪は5割強。「旅行予約で音声アシスタントを使用するか」については、中国が67%、インドが72%なのに対し、欧米豪は20%~30%台で、象徴的な結果となった。
このほか、「SNSの旅行関連アカウントやインフルエンサーのフォローをしているか」では、中国は89%、インドは81%で、多くのZ世代がクチコミ情報を信用している。対して欧米豪は半数を超えてはいるものの6割前後で、クチコミの重要度は中国とインドほどは高くないことが示され、Z世代の攻略には地域性とあわせた理解が必要があることが明らかになった。