ツーリズムEXPO2023に合わせて来日中の欧州観光委員会(ETC)のエドゥアルド・サンタンデールCEOは、欧州で導入が検討されている渡航承認プログラム「European Travel Information and Authorization System (ETIAS)」について説明した。
ETIASは、シェンゲン協定国以外のビザ免除国からの旅行者に対して、出発前に旅行者情報の登録を求めるもの。その目的は、安全な旅行の確保と不法移民対策。18歳から70歳までの旅行者が対象で、1度登録すると2年間有効。ETIASのホームページでは7ユーロ(約1100円)との記述もあるが、サンタンデールCEOは「まだ正式には決まっていない。しかし、10ドル(約1490円)以下になるだろう」との見通しを示した。
当初の計画では、ETIASは2021年に導入される予定だったが、延期が繰り返されている。ETIASのホームページでは2025年半ばから運用開始と明記されている。
海外メディアでは、欧州理事会(EC)は2025年春にも運用を開始するとの報道があるが、サンタンデールCEOは、「さらに延期される可能性がある」との認識を示した。その理由として「運用に向けては空港への投資も必要になってくる。参加国の間では、すでに準備ができているところもあれば、まだ間に合っていないところもある」ことを挙げた。
米国のESTAでは、徴収金の一部がブランドUSAによる観光プロモーション活動の資金になっているが、ETIASではそのような計画はないという。
※ドル円換算は1ドル149円、ユーロ円換算は1ユーロ159円でトラベルボイス編集部が算出