中部圏社会経済研究所は、2016年5月に開催される「伊勢志摩サミット」の経済効果を分析した。それによると、日本全体の経済効果(生産波及効果)は1078.6億円。三重県単体では328.6億円、中部9県(富山・石川・福井・長野・岐阜・静岡・愛知・滋賀・三重)では459.1億円となった。
また、雇用誘発効果は日本全体で7365人、三重県で2660名、中部9県では3306人と推計。
経済効果のおもな要因としては、サミットによる直接的な外交団接遇費用に加え、各種イベントや環境整備、警備、プレス関係支出などが含まれる。また、サミット開催時は政府や近隣地域との連携が必須であるため、その効果が地元だけでなく各県に波及するものとみられる。
地域別の試算結果は以下のとおり。
また、サミット開催によるマイナス効果や、サミット後の「ポストサミット効果」も推計されている。
マイナス効果は、サミット開催前から終了までの間、警備強化や交通制限の関係で現地三重県を訪れる観光客の減少することによるもの。観光庁の資料をもとに同研究所が試算した結果、2016年5月の三重県の観光客(観光入込客数)は26.9万人減少、消費額は31.9億円減となる見通しとなっている。
一方でサミット開催後(ポストサミット)は、三重県の知名度向上などを背景に、徐々に観光客は増加。観光消費額ベースでは、5年後の2020年には2015年と比較して404.6億円増加、5年間累計で1194.2億円の効果が見込まれるとしている。
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