岐阜県の白川郷観光協会は、2019年1月の白川郷ライトアップイベントで、来場者を抽選式の完全予約制とする方針を発表した。観光客が急激に増加したことで現地の受け入れ能力を超える「オーバーツーリズム」への対応策の一環だ。
同イベントの開催は来年で33年目。毎年多くの観光客が訪れるが、最近は村の受け入れ能力を大幅に超え、現場では様々なトラブルが発生していた。イベント当日に数千人が訪れて大渋滞となるのに加え、おおむね半数近くがインバウンド客となっている状況下で、外国人対応スタッフの対応配置などをおこなっても現場では混乱する事態も。また、イベント時期に限らず、中華圏の団体客が多いために個人旅行の欧米系旅行者が白川郷を敬遠し始めているという課題も抱えているという。
こういった問題の回避に向け、ライトアップイベントでは来場者を完全予約制とすることを決定。早めの情報発信や展望台行きシャトルバスチケットの配布方法なども再検討することにした。
村内では、ライトアップイベントの開催をいったん中止する意見もあったが、心待ちにしている観光客のことを考え、できる限りの対応をおこなって継続することで決定。高速道路もなく、世界遺産でもなかった33年前に村民が結束し、集客のため、また地元を知ってもらうために考案・実施したライトアップイベントの「原点」に戻ることにした。
2019年のライトアップイベント概要
- 日程:2019年1月14日、20日、27日、2月3日、11日、17日
- 場所:白川村荻町集落内
- 対象:ライトアップに来場予定者全て
- 変更点:イベント当日の入村制限あり。事前申込、抽選式の完全予約制の導入