新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は2020年3月10日、対策本部を開催し、緊急対応策の第2弾を取りまとめた。経済への対応については、中小・小規模事業者向けに特別貸付制度を設けるなど、日本政策金融公庫などによる1兆6000億円規模の金融支援を決定。特に、観光産業に対しては、「観光需要の回復は感染拡大の防止が前提になることを踏まえ、当面、雇用調整助成金や資金繰り対策により強力に下支えする」と踏み込んだ。
観光業については、感染防止に取り組む期間を反転攻勢に向けた「助走期間」と位置づけ、基盤を整備する。具体的には、日本政府観光局(JNTO)を通じた正確な情報発信などに加え、DMOなどによる地域の旅行コンテンツ造成事業に定額、2分の1、キャッシュレス化など訪日外国人受入環境整備事業に定額、2分の1、3分の1を補助。事態終息後には官民一丸となったキャンペーンを実施すると明記した。人の流れ の回復に向け、観光需要の喚起や地域の農産品・特産品等、商店などのにぎわい回復を含めたキャンペーンも検討する。
また、国全体として事業活動の縮小については、雇用調整助成金の特例措置を拡大。すでに確保している緊急貸付・保証枠を5000億円規模から6000億円規模に増額するほか、中小・小規模事業者に対し、信用力や担保にかかわらず、実質無利子で5000億円規模の融資枠を確保した。