2022年1月の航空需要は回復スピードが鈍化、ウクライナ危機でコスト増にも懸念

国際航空運送協会(IATA)は、2022年1月の航空旅客需要について、引き続き力強い回復は見せる一方で、オミクロン株の感染拡大による旅行規制によって、前月と比較すると減少に転じていることを明らかにした。

2022年1月の総航空需要(RPK)は、前年同月比82.3%増となったものの、2021年12月と比較すると同4.9%減となり、回復スピードは弱まった。このうち、国内線需要は同41.5%増だったが、前月比では7.2%減。国際線需要は同165.6%増と大幅に増加したものの、前月比では2.2%減となった。

国際線を地域別で見ると、アジア太平洋の旅客数は同124.4%増となり、伸び率は前月の138.5%増から鈍化した。座席供給量は同54.4%増、搭乗率は14.7ポイント増の47%となったものの、世界で最も低い結果となった。旅客数が前年比で最も伸びたのは欧州で225.1%増。搭乗率も19.4ポイント増の66.4%にまで回復した。

IATAでは、ロシア・ウクライナ情勢についても言及。経済制裁や空域の閉鎖などが続いていることから、特に近隣国間の需給に大きな影響が出ると予測した。IATAのウィリーウォルシュ事務総長は、「昨年秋時点の予測では、2022年の航空業界の損失額はおよそ116億ドル(約1.3兆円)、ジェット燃料費1バレルあたり78ドル(約9000円)、全コストの約20%を占めると予測していた。しかし、3月4日時点で、燃料費は1バレルあたり140ドル(約1万6000円)を超えている。このコスト増を吸収するために、航空会社はさらにコスト削減に取り組まなければならず、コロナからの回復に加えて、さらに大きな課題となる」と警戒を強めている。

※ドル円換算は1ドル116円でトラベルボイス編集部が算出

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