米ニューヨーク州、民泊エアビーの宿泊提供者の登録を9月から義務化、不服申し立ては棄却

写真:ロイター通信

ロイター通信によると、ニューヨーク州裁判所のアーリーン・ブルース判事は2023年8月8日、短期レンタル型宿泊(short-term rentals:STR)、いわゆる民泊を「事実上の禁止」する法案を巡り、エアビーアンドビー(Airbnb)がニューヨーク市を相手取っておこなった不服申し立てを棄却した。同判事は、何千件もの違法な民泊を減らす手段として、マンハッタン行政区がホストに地元機関への登録を義務付けるのは「本質的に合理的」と判断した。 この法律は2023年9月5日に施行される。

米国では各都市で、ホストのライセンス取得と登録料支払いの義務化、ビジネス地区での短期レンタルの制限など、民泊への規制を強化している。

エアビーは2023年6月に、この法案の施行はホストのビジネスをさらに困難にし、「これまでで最も極端で抑圧的な規制で、民泊を事実上の禁止とするもの」と主張し、ニューヨーク市を訴えていた。

これに対して、ブルース判事は、2017年から2021年までにニューヨーク市が民泊に関して1万2000件近くの苦情を受け取ったというデータを引用。エアビーが違法行為を助長しておらず、違法行為から収益を得ていないことを確認するための「非常に簡単な方法」として、リスティングの検証を求めた。

エアビーは、法律の施行によって多くのリスティングを削除せざるを得ないと主張したが、同判事は「宿泊予約の停止や変更を行なった形跡はない」と付け加えた。

エアビー・グローバル・ポリシー・ディレクターのテオ・イェディンスキー氏は、「ニューヨーク市の民泊規制は、観光による経済と、ホームシェアリングや観光収入に頼って生活を支えているニューヨーカーや中小企業に打撃を与えている」と反論している。

この法律は、当初、7月初旬にも発効する予定だったが、当事者への説明の機会を設けるため、9月に延期された。エアビーによると、9月5日以降、8万人以上が予約しているという。

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