欧州委員会、ルフトハンザのイタリアITA航空の買収を承認、5番目のグループ航空会社に

欧州委員会は2024年7月3日、ルフトハンザ航空によるイタリアのITAエアウェイズの買収案を承認した。ルフトハンザ航空とイタリア経済財務省は昨年5月に、ルフトハンザ航空がITAの株式を3億2500万ユーロ(約566億円)で取得することで合意していた。今回は41%の株式を取得。取引は2024年第4四半期に完了する予定で。その後、残りの株式についても早ければ2025年から取得する見込み。

今後は、ルフトハンザ・グループ5番目の航空会社として、ブランドを維持しながら運航することになる。

ルフトハンザ・グループにとって、イタリアは本国のドイツを除くと米国に次ぐ2番目の市場。イタリアは欧州では3番目に大きな経済規模で、ビジネス需要が見込めるだけでなく、世界でも人気の観光国であることから、レジャー旅行者の輸送への期待も大きい。

両航空は今後、路線ネットワークを含めて統合を迅速に進めていく計画。ITAのハブであるローマ・フィウミチーノ空港はグループ航空会社のハブ空港のなかで最も南に位置するため、南半球へのネットワーク拡大に期待をかける。また、ITAは将来的にルフトハンザ・グループが加盟するスターアライアンスへの加盟を目指す。

一方で、欧州委員会との交渉では、両航空は引き続き競争関係を維持することでも合意した。その中には、ミラノ・リナーテ空港の発着枠を短距離輸送の競合航空会社に譲渡することも含まれている。

ITAは2020年11月に、経営破綻したアリタリア航空をイタリア政府が国有化して設立。2021年10月から運航を開始した。現在の従業員数は約4860人。昨年の旅客数は約1500万人。長距離用機材23機と短距離用機材73機を保有している。現在の就航地数は69地点。

※ユーロ円換算は1ユーロ174円でトラベルボイス編集部が算出

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