大手市場調査ユーロモニターインターナショナル社は、2024年に39カ国で実施した旅行調査の結果などに基づいて、旅行者の嗜好やタイプ別特徴をまとめた。
それによると、「旅行先での食事の質」について、韓国では30.3%、日本では25.3%の人が重視すると回答し、世界平均の15.0%を大きく上回った。中国では「ローカル文化の体験」を重視すると答えた人の割合が23.1%と他国よりも多いこともわかった。
同社によると、日本では「食も体験のひとつ」という認識のもと旅行支出における食の比率は増加。2019年の国内旅行における全消費に占める食事の比率は13%だったのに対し、2024年は17%まで上昇する見込みだという。
アジア消費者は「デジタル」「価格志向と質のバランス」を重視
また、同社では調査結果に基づいて、旅行者を「エコ冒険家」「ブレンドトラベラー(仕事と生活のパランスを重視)」「レジャーシーカー(価格志向で質とのバランス重視)」「文化探求家」「ラグジュアリーシーカー(体験や高品質を重視)」「デジタルトラベラー(利便性の高いオンライン体験を重視)」「ウェルネス崇拝者」「冒険愛好家」の8タイプに分類している。
それに基づくと、日本へのインバウンド客の8割以上を占めるアジア地域の消費者では、デジタルトラベラー(20%)、文化探求家(17%)、レジャーシーカー(22%)、エコ冒険家(21%)が多いことがわかった。
同社では、「アジア地域の旅行者は、他地域に比べて特にデジタルトラベラーのタイプが多く、オムニチャネルのタッチポイントを通じてシームレスなデジタル化された旅行体験を求める傾向が強い。コロナ禍以前とは異なる方法で目的地を発見したいと考え、現地の文化体験や隠れた名所や冒険を求めている」と分析している。