国土交通省・国土交通政策研究所は、日本国内の旅館経営者の外国人旅行者受入れ実態と外国人宿泊客から見た旅館の印象をまとめた「旅館ブランドに関する調査研究」を公表した。これは、全旅連青年部所属の旅館経営者325名、旅館に宿泊した外国人旅行者549件に対して行ったアンケートをもとにまとめたもの。それによると、外国人旅行者が旅館を宿泊先として選んだ理由が市場によって異なることが鮮明となった。
外国人旅行者が旅館を宿泊先として選んだ理由では、アジア市場が「温泉」が61.2%と最も高い割合に。欧米市場の36.6%と比較すると大きな理由となっている。また、「この地域に宿泊したかったため」の項目では欧米市場が23.2%、アジア市場が8.7%と大きく違いがみらた。
また、宿泊経験による嗜好の違いについては、経験が豊富(5 回目以上)な外国人宿泊客ほど「温泉」(78.2%)への関心が高い結果。特に、経験豊富な外国人が旅館を選んだ理由は「日本文化全般を体験したかったため」「前回泊まってよかったため」の数値が高く、国土交通省・国土交通政策研究所は「対象国や宿泊経験などにあわせた旅館の魅力の発信をしていくことが必要」としている。
また、今回の研究では外国人宿泊客が旅館経営者が思うほど言葉が通じないことに不自由を感じていないことも明らかになっている。旅館への滞在中に言葉が通じなかったと回答した外国人宿泊客は、全体の33.7%存在するものの、不自由を感じたと回答した割合は 22.8%だった。
(トラベルボイス編集部)