イスラム教徒人口が2030年には世界の26%に、アジア旅行産業でのハラール対応が急務に ―ユーロモニター

210カ国・29産業にわたって市場調査を行うユーロモニターインターナショナルは、このほど世界のハラール市場に関する調査報告書を発表した。それによると、2030年には世界人口のうちイスラム教徒が26%に至るなか、アジア太平洋地域諸国からの海外旅行者数が2019年まで前年比10.0%前後のペースで増加を示す見通しとなった。

アジア圏におけるハラール市場の成長が引き続き見込まれることから、宗教的ニーズに応えることができる「ハラールフレンドリー」なサービスの重要性を示唆している。

世界の海外旅行産業の前年比推移は以下のとおり(2015年以降は予測値)。

ユーロモニターインターナショナル:報道資料より

報告書では、可処分所得が増加傾向にあるアジア太平洋地域では、これまでビジネスや「巡礼」に限られていたイスラム教徒の旅行目的がレジャー目的にも拡大、ファッションやショッピングへの関心が浸透しつつあることに言及。

一方で、現実にはイスラム教徒向けの礼拝場所の確保やハラールフード(イスラム教徒向けの食材で適切に調理された料理)への対応、ビジネス旅行中にも関係する会議場、プール、ジムなどでの男女分離環境の準備は完全とはいえない状況とする。

たとえば、イスラム教徒が多いマレーシアでは、ホテルの客室に礼拝をおこなう方向を示す工夫があるほか、イスラム教徒が少ない一部のアジア諸国でも教徒向けにオーダーメイドで旅程を組み立てるツアーに対応する旅行代理店もあることを挙げ、今後は一層「ハラールフレンドリー」な観光産業の拡大が期待されるとしている。

ユーロモニターインターナショナル:報告書より

報告書全文は以下より入手可能。ダウンロードにはメールアドレスなどの登録が必要。


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