東京商工リサーチによると、東京・中央区の旅行業「フロムツーリスト」が2016年9月30日、東京地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は現在調査中。
同社の設立は2003年。中国からの訪日旅行手配や中国への観光ツアーなどを手掛けるほか、海外格安航空券販売などをおこなってきた。中国との強いつながりにより「国土交通省指定中国国民旅行会社」認定を受け、団体旅行や業務視察、文化交流特殊手配なども実施し、ピーク時の2007年には売上高約5億2000万円を計上していた。
しかしその後、競合他社や東日本大震災などの影響で2012年の売上高は約2億5000万円に落ち込み、1000万円の損失を計上。中国からのインバウンド増加の恩恵も低レベルにとどまった一方、日中関係の冷え込みで中国への旅行者減が響き、財政面では厳しい状況が続いていた。
なお、一部の旅行事業はほかの中国系企業に継承済みという。