JTBは2019年12月、2020年度の海外旅行商品ルックJTBの概要を発表した。2019年度は市場が順調に拡大するなか、ルックJTBも販売人数、販売額ともに前年度を上回る見通し。会見に出席した執行役員海外仕入商品事業部事業部長の遠藤修一氏は、「2020年は東京オリンピック・パラリンピック開催による旅行控えが懸念されるが、JTBならではの価値の創出、ニーズ多様化、ヨーロッパ・ハワイの強化を基本方針として取り組み、2021年度飛躍に向けたブリッジイヤーとしたい」と語った。
2020年度はJTBグローバル・デスティネーション・キャンペーンとしてヨーロッパに焦点を当てる。「テロのマイナスイメージが低下し、新規路線就航も相次いでいる」(遠藤氏)。フランスのパリでパノラマレストラン「バストロノーム」を365日貸し切るほか、リバークルーズをチャーター。現地集合・解散のバス旅「ランドクルーズ」は新たにスペイン・バスク地方、クロアチア・スロベニア、イギリス・コッツウォルズのルートを追加する。また、フランスアンバサダーとしてパリ在住のフリーアナウンサー中村江里子さんを起用する。2019年度にグローバル・デスティネーションとして強化したハワイは、前年度比16%増と好調に推移しているという。
JTBはまた、パーソナライズ化への対応として、航空券とホテルを自由に組み合わせる「ダイナミックJTB」を強化する方針。また、手配旅行のウェブ専用商品をスマートフォンで販売できるよう最適化し、2020年3月に販売開始する予定だ。遠藤氏は「OTAとどう競争するか。ウェブを起点にしながらヒューマンタッチなリアル店舗と融合した販売体制を整えることがカギになるだろう」と述べた。