日本交通ホールディングスとディー・エヌ・エー(DeNA)は、タクシー配車アプリに関する事業を2020年4月1日に統合することで合意した。これにより、DeNAが運営する配車アプリ「MOV」と日本交通の子会社であるJapanTaxiが運営するタクシーアプリ「JapanTaxi」とが統合されることになる。統合後は、Japan Taxi の共同筆頭株主は日本交通とDeNAとなり、社名も新しく検討される。
日本のタクシー産業では、タクシー配車アプリやタブレット設置車両の拡大など急激に進み、キャッシュレス化や事前確定運賃・相乗りといった新たなタクシーサービスも登場。業界全体の競争環境が急速に変化しているとともに、労働力不足の解消や収益性の改善が喫緊の課題としてあがっている。
両社は、今回の統合によって、日本のタクシー産業の進化を支え、将来的には他産業との連携や自動運転をなどの導入によって、日本の MaaS領域における取り組みを加速ししていく考え。
新体制では、JapanTaxiがカバーする幅広い展開エリアと提携台数、タクシー専用ハードウェアなどタクシー会社に向けたサービス開発力という強みと、MOV 事業の AI やインターネットによる 技術開発やサービス創造、神奈川・東京・京阪神エリアにおける事業基盤という強みを活かし、事業拡大に向けた投資を拡大することで、公共インフラとしてのタクシーをさらに進化させていく。
今回の統合により、配車可能な車両数は約10万台になる予定。統合後は、ユーザーに対してタクシー配車アプリによる新たなサービスの提供を行う一方、タクシー事業者に対しては、サービス向上を通じた経営基盤強化によって、生産性向上や公共交通機関として安定的な輸送を確保していく方針だ。