国際航空運送協会(IATA)は、国際線を安全かつスムーズに再開させていくためにはグルーバル基準が必要だとし、特に3つの点で取り組みを進めるよう各国政府に求めた。
まず、ワクチン接種証明書の統一化。現在、世界保健機関(WHO)が、ワクチン接種情報のデジタル化に必要な基準の構築を勧めているところだが、IATAでは、「Smart Vaccination Certificate」が、現在、黄熱病のワクチン接種で使われている「イエローブック」の電子版になりうると主張している。
また、グローバルな検査体制の確立も求めている。現在、経済協力開発機構(OECD)が、グローバルで検査データの信頼性を担保する仕組みを構築しているところ。これには、各国の検査結果に対する相互認識が必要になってくる。最近では、デンマークが、UAEの検査体制への懸念から、UAEとの検査結果の相互承認を取りやめた。IATAでは、ワクチン接種証明書と同様に、検査結果の認証でも統一した基準の確立を求めている。
3つ目はデジタル・トラベル証明証の普及。いわゆるスマートフォンを活用した「ePassport」が広がることで、航空会社は非接触手続きを実施することができ、搭乗者のワクチン接種歴や検査結果をデジタルで照合することが可能になるとしている。
IATAでは、デジタル健康パスとして「IATAトラベルパス」を開発。シンガポール航空が昨年末から実証を開始し、中東の3航空会社も今春に試験的な導入を始めると発表している。