沖縄県によると、2020年の沖縄県への観光客数は前年比63.2%減の373万6600人だった。マイナス成長に転落したのは、東日本大震災が発生した2011年以来、9年ぶり。新型コロナウイルスの影響で、2019年に記録した1016万3900人を大きく下回った。
大きく減少した要因について、県はコロナ禍での旅行自粛、国内路線の運休・減便、クルーズ寄港キャンセル、3月下旬からの海外路線の運休、海外から日本への入国制限措置、日韓情勢の悪化などを挙げた。
2021年の見通しについては、国内客は新型コロナの感染状況やGoToトラベル事業の実施状況に大きく左右されるとみている。1月27日に定例の記者懇談会を開催した沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)会長の下地芳郎氏は、「非常に厳しい状況が続いている」と吐露。OCVBによると、新型コロナの感染再拡大による昨年末からのGoToトラベル事業の一時停止で、航空会社、ホテルの予約は前年の3割台にとどまっており、特に航空会社の減便は今後さらに拡大する可能性があるという。
こうした厳しい状況下で、OCVBは県に対し、受け入れや水際対策の強化を要望。修学旅行とデジタルプロモーションを強化し、特に修学旅行については沖縄への修学旅行常連校へのカレンダーや知事文書の送付によるプロモーションを引き続き進めるとしている。
また、3月はGoToトラベル事業が再開されれば、前年同月比で5割程度まで回復すると予測。ただし、2019年比では3割を切る状況も予想されるなか、明るい話題として、2月からプロ野球キャンプが始まり、巨人軍が那覇市内のPCRセンターを設置することを挙げた。OCVBは、「PCRセンターはアマチュアの競技団体の検査も支援すると聞いており、沖縄でスポーツのキャンプができる前向きなニュースを発信していきたい」などとコメントしている。