2021年10月12日~22日、新型コロナウイルスに関する国際民間航空機関(ICAO)ハイレベル会合がオンラインで開催された。航空の安全かつ効率的な回復の推進を目的とした閣僚宣言「世界的パンデミック後を見据えた航空の回復、回復力及び持続可能性のためのワン・ビジョン」が採択された。
様々な提言やガイダンス、マニュアルの策定などこれまでのICAOの取り組みを踏まえて、会合ではパンデミックからの航空の回復を安全かつ効率的に推進させるための課題を共有するとともに、これらの課題に対する取り組みを推進していくことで全会一致した。
閣僚宣言では、公衆衛生リスクを管理しながら、民間航空の安全で効率的な回復に向けて各国で協力していことを確認したほか、ワクチン接種が旅行の前提条件ではないことを強調。また、プライバシーや個人データ保護しつつ、ワクチン接種、検査結果、感染からの回復を証明するデジタルソリューションの相互運用を進めていくことも確認した。さらに、航空分野の持続可能な成長に向けて、航空産業による気候変動への貢献についても認識を共有した。
日本からは、国土交通審議官を首席代表とする代表団が参加。今後ともICAOの活動に貢献し、持続可能な国際航空の開発を進めるあたり、特に科学的根拠に基づく防疫措置の徹底、デジタル技術やイノベーションを活用した効率的で信頼性の高い出入国手続の実現が不可欠であることを明言。航空回復に向けてワクチン接種証明書などいわゆるワクチンパスポートといわれる健康状態に関する証明書について、デジタル化促進、複数の規格が存在するデジタル証明の相互運用性の確保が重要であることを強調した。