帝国データバンクによると、2013年上半期のホテル・旅館の倒産件数は55件となった。ホテル・旅館業の倒産件数は2006年を境に年間70件レベルから100件超に増加。最も多かったのは129件の2011年で、昨年は109件となっており、今年も同水準の推移となっているようだ。
地域別では中部が12件で最も多く、関東が10件、近畿が8件と続き、上位3位で過半数を超えた。中部は2010年以降、地域別1位となっており、近年の倒産が同地域に集中している。
要因別では、売上不振、業界不振などの不況型が43件で8割弱を占める。特に北関東では東日本大震災の影響が続いており、今後も震災関連の倒産の可能性があるという。
負債額別では、1億円~5億円未満が20件と最多で、5億円未満の小規模倒産が37件と7割弱となる。負債50億円以上の大型倒産は2件、10億円~億円未満の中規模倒産は12件。また、資本金別では1000万円以上~5000万円未満が22件、100万円~100万円未満が21件で、全体の8割弱となった。
今後の見通しについては、アベノミクスでの円安効果によるインバウンドの増加や国内旅行の好況などで、震災以降の業績悪化は底を打った感があるとしつつ、少子高齢化による将来の市場縮小や、政治問題による中国人観光客の減少を指摘。また、老朽化による改修にも多額の費用が必要となる一方、価格競争の激化で投資に見合う集客が得られず、資金繰りが悪化するケースも散見されるとし、今後もこの傾向が続く可能性があるとしている。