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世界のホテル事情(第2回) ―フランス編
こんにちは。ホテルマーケティング・コンサルタントの大野惠子です。
「世界のホテル事情」をテーマに、皆様に様々な角度から世界のホテル動向などをお伝えいたします。前回に続き第2回もフランスのホテル事情についてご紹介します。
客室には省エネ設備と新システムを導入
照明やリネンの利用は、環境に配慮する流れに
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また、バスルームのタオル、ベッドシーツなどリネン類の交換にも、新しいシステムが導入されました。タオル交換を希望する場合には、バスタブ(空の)に入れる、またはバスルームの床に置いておきましょう。タオルハンガーにかけたままだと、環境保護への賛同と理解され、基本的に交換を行いません。デラックスホテルであっても、シーツ類の交換は1日おきとなっていますが、希望すればもちろん毎日取り換えてくれます。バスルームとベッド脇に説明カードが置かれていますので、ご自身の判断で快適に過ごしてください。
▼夏の滞在にはミニバーを要チェック
個人利用や団体旅行では、個別の対応も
夏期には、欧州でもかなり気温が高くなり30度を超える日があるため、エアコンとミニバー完備の確認は必須です。フランスでは2003年の猛暑記録以降、エアコンは大幅に普及してきています。とはいっても、ミニバー(冷蔵庫)の設置義務は5星以上ですので、意外にも盲点となっています。
筆者は、個性的でチャーミングなホテルを発見したのですが、ミニバーの確認を失念してしまい、暑い夏日の数日間、冷たい飲物が飲めなくて不自由だった経験があります。Webやホテルインフォーメーションに明記されていない設備項目は、リスクありですのでメールで問い合わせをしてみるのがよいでしょう。
また、100室を超える規模のホテルでは、機械式ミニバーの導入を見受けますが、飲物を動かしたり、上に何か物を置くだけで重量変動により自動課金されてしまうので気をつけましょう。もし、身に覚えがなければチェックアウトの際に申告すれば調べてキャンセルしてくれます。滞在中に冷蔵庫として使用したい時は、機械式ミニバーを空の状態にしてもらえます(有料の場合もあります)。加えて、もし修学旅行など未成年の団体旅行を取り扱う場合には、ミニバーをロックする事も可能ですので事前に依頼してください。
▼深夜・早朝の到着、鍵がかかっていたら?
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▼進化するホテルの設備、パリでウォシュレットを発見
今夏、パリに開業したばかりの、個性的なデラックス・ホテルで、日本ブランドのウオシュレットを発見しました。日本で普及しているモデルよりは、シンプルでコンパクトな機能型でした。日本では、ホテルだけでなくご自宅でも普通に使用されているこの設備ですが、筆者はフランスで見たのは初めてです。ホテルの総支配人は、「パリではかなり高額だけれども全室に導入した。素晴らしい機能は世界中の富裕層から支持されてきている。私が日本で初めてウオシュレットを体験した時の驚きと快適性を、ゲストと共有し楽しんで頂くのは嬉しい。」と、自慢げに話してくれました。ラグジュアリーホテルは、ついにここまで来ました。