タイ現地からこのほど来日したタイ国政府コンベンション&エキシビション・ビュ-ロ-(TCEB)のノパラット・メイタビークンチャイ社長(写真)は、現在のバンコクの状況について「通常に戻っている」としてタイへの渡航を呼び掛けた。2013年10月以来、反政府勢力によるデモが市内各所で続いていたが、3月3日にバンコク市内のルンピニー公園以外のバリケードが外され、市内では通常の交通網が機能し始めているという。
これは、3月5日に開催されたMICE関連業界対象セミナーの挨拶で明言したもの。TCEB日本代表マ-ケティング・マネ-ジャ-の大谷氏によると、今回のデモによるMICE関連での影響は、特にインセンティブ・ツアーで大きく、ツアーの延期が目立ったという。中止にならずに延期になっているため、デモが終息することでプランニングが再開しそうだ。ただし、すべての反政府勢力の活動が終結したわけでないため、今後の動向に注意したい。
セミナーでは、メイタビークンチャイ社長が、「MICE市場における日本の重要性は増している」として、日本/タイの交流の歴史やMICE市場が2013年に約35%増加したことなどを紹介。ワークショップも開催し、TCEBと来日した現地からのメンバーが積極的に日本のMICE関係者にタイのMICEの魅力を紹介した。
▼MICE訪問者は101万人、タイ渡航者の約6割
「ミーティング・ボーナス」で団体サポートへ
TCEBによると、2013年にMICEとしてタイを訪れた人数は約101万人。この数年で順調な伸びを見せており、そのうち76%がアジア市場からの渡航者だ。また、タイを訪れる渡航者のうちレジャーは約3割、MICE関連が6割となっており、タイにとってMICEは重要な市場となっている。なお、日本人は中国、インド、マレーシアに続く4位の位置を占め、約6万1000人だ。
TCEBは、マーケットの回復を目指し2014年9月末まで期間限定の団体サポート施策を実施する。「ミーティング・ボーナス」と名付けたもので、対象は会議とインセンティブ・ツアー。3泊以上する200名以上の団体には10万バーツ、500名以上は30万バーツ、1000人以上は100万バーツのツアーサポートを行う。
また、現在、コンベンション・ボーナスも企画しており、詳細が決まり次第発表される。TCEBは、小物のプレゼントや100名以上のグループにウェルカムパフォーマンスなどを手配することなどをアピールし、日本からのMICEでのタイへの訪問を呼び掛けた。
(トラベルボイス編集部:山岡)