タイ国政府観光庁は、2015年の同国への全世界からの旅行者数2800万人、日本人旅行者139万人を目指して観光プロモーションを強化する。タイ現地では、2015年4月に10か月間にわたって全土に発令されていた戒厳令が解除されたところ。タイ王国大使館のシハサック・プアンゲッゲオ駐日大使は、観光客にとって安全が最重要であり、同国にとって重要な観光産業のためにも努力を続けていることを強調した。
これは、このほど開催されたタイの観光PRを説明する会見で記者からの安全面への質問に対して大使がコメントしたもの。プアンゲッゲオ駐日大使は、現地の状況は「来てもらえば実感してもらえることだろう」として、観光客が通常通りに過ごせることをアピールした。
観光庁によると、タイの観光業は国内GDPの14%をしめ、トップシェアを誇る主要産業。2014年にタイを訪れた旅行者は前年比6%減の2466万人に。日本人については約18%減の126万5000人と打撃を受けた。2015年は、これを取り戻すべく「Discover Thainess(タイらしさ)」で現地の魅力をアピールして観光客の増加を目指す。
具体的には、タイの料理・祭りなどの文化やダンスや寺院などの芸術、タイ人の生活様式など個性的なタイの魅力を「タイらしさ」として打ち出す。主要観光地だけでなく、新たなデスティネーションとして12の都市を紹介して地方への旅行者の回遊も目指す。
会見に同席した観光庁のジュタポーン・ルンロンアーサー副総裁は、すでに2015年1~3月の状況では前年23%増の788万人、日本人は36万人を超える旅行者が訪れており、好調さを見せていることに自信を見せた。
35万人規模に成長した「タイ・フェスティバル」
観光とともに「食」を世界に売り込む
2015年5月16・17日には16回目となったタイ・フェスティバルが東京・代々木公園で開催される。初回は3万人の規模でスタートしたものの、近年では35万人が集まる規模に成長。東京だけでなく、大阪、静岡、仙台など開催地域も拡大している。
この取り組みは、観光イベントとしてだけでなく「タイキッチンto the world」とした政策に基づいたものだという。タイにとって、観光のほかに食糧・農業も重要な産業であり、2004年以来、タイ料理・食料を世界に打ち出していく政策をとってきた。タイ・フェスティバルは、現在、世界中の都市で開催し成功をおさめているという。
2015年の東京のテーマは「Have a Rice day」。プミポン国王が2015年に88歳(米寿)となることから、「米」をキーワードとした。当日は、飲食店のほかに衣類や雑貨などの物産など100を越えるブースが出展。タイ米と加工食品の紹介やパネル展示、アーティストによるライブ、竹細工などの実演も行われる。
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(トラベルボイス編集部:山岡薫)