リクルートライフスタイルのエイビーロード・リサーチ・センターが実施した「エアライン満足度調査2016」で、総合満足度1位は5年連続でシンガポール航空(SQ、4.32ポイント)だった。
2位は全日空(NH、4.14ポイント)が前年3位からランクアップ、3位はKLMオランダ航空(KL、4.04ポイント)が前年15位から大きく順位を上げた。次いでニュージーランド航空(NZ)、エミレーツ航空(EK)、日本航空(JL)が同点(4.03ポイント)で4位にランクイン。トップ20内にLCCはランクインしなかった。
総合満足度に大きな影響を与える「客室乗務員の接客」
この調査は、航空機の機材・設備や接客サービスなど5項目の評価結果をもとに総合ランクを算出したもの。同社によれば、満足度向上に最も大きな影響を与える要因は「客室乗務員の接客サービス」、次いで「航空機の機材、設備」だったという。
航空会社の満足度総合ランキングトップ20は以下のとおり。
部門別ではANAとシンガポール航空がそれぞれ2冠を獲得
部門別にみると、「航空機の機材、設備」部門では、前年と変わらず1位がシンガポール航空、2位がANA、3位がエミレーツ航空。機内設備に関する回答者のコメントでは、上位となった企業については、座席の広さや間隔の広さ、機体の新しさやきれいさなどが評高く評価された。
「機内飲食サービス」部門の1位もシンガポール航空。2位はエミレーツ航空、3位はニュージーランド航空。上位10社のうち9社で昨年よりもポイントが増加。寄せられたコメントでは、食事の内容だけでなくセンスのいいメニュー表(シンガポール航空)や座席の画面をみながら注文できるシステム(ニュージーランド航空)などが評価された点も特徴だ。
「客室乗務員の接客サービス」部門の1位はANA、2位がシンガポール航空、3位がJALで日系2社が上位にランクされた。そのほか6位 のKLMオランダ航空とフィンランド航空、9位のブリティッシュ・エアウェイズ、10位のオーストリア航空など、欧州系の航空会社が大きくランクを上げた。コメントではANAの乗務員の心配りや声をかけやすい雰囲気、JALの丁寧ながらもてきぱきした対応を称える声が寄せられた。
加えて「空港内の航空会社職員の接客サービス」部門でもANAは3年連続で1位となった。2位はシンガポール航空、3位はニュージーランド航空。昨年2位だったJALは4位。上位となった航空会社では チェックイン・荷物預けのスムースさが着目されたほか、ANAについては待ち時間が少ないうえ、空港での職員の適切な案内を高く評価するコメントがみられた。また、ここでも欧州系の順位上昇が目立つ結果となった。
一方、「機内エンターテインメント」部門は、3年連続でエミレーツ航空が1位。次いでシンガポール航空、ニュージーランド航空。日系2社はANAが4位(前年3位)、JALが5位(前年2位)となり揃って昨年よりも順位を下げた。1位エミレーツ航空では、日本語で楽しめる映画や日本国内各地の地方新聞があったほか、ニュージーランド航空では現地のドキュメンタリーや関連映画などを通じて自国の魅力をうまく発信する様子などが好評。そのほか、ゲームやクイズなどを使った、乗客を飽きさせない工夫が満足度につながったとしている。
なお、コストパフォーマンスに関する評価で最も満足度が高かったのはカタール航空(QR)。次いでエミレーツ航空が2位、シンガポール航空とエティハド航空(EY)が3位で並んだ。
この調査は2016年4月14日から19日まで実施したもの。評価対象の航空会社は2015年の最後に行った旅行での利用率上位40社。調査対象は、2015年に渡航をした18歳以上の日本人男女7227名で、集計対象は4000名。