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AIRDOは、LINEを利用した搭乗サービスを開始する。LINEユーザーが同社公式アカウントに友だち登録することで、トーク画面上で搭乗便の詳細確認からQRコードの受取りが可能に。空港の保安検査場に直接向かってこのQRコードを表示すれば搭乗できる。AIRDO代表取締役副社長 草野晋氏は「導入によってきめ細かい情報提供や搭乗体験を提供する」と自信をみせた。
今回の新サービスはLINEビジネスコネクトを活用したもの。航空機への搭乗は、ANAがスキップサービスとして提供している流れが、LINE上でできるようになる。QRコードは、スクリーンショットや保存した画像でも利用が可能だ。
友だち登録後は、6つの機能が利用可能になる。「旅のコンシェルジュ」では、キーワード応答を活用して、旅の情報を受け取ることが可能に。例えば「時刻表」のキーワードを入れると、メッセージとともに同社サイトの時刻表URLが表示され、「マイル」を入れるとポイント取得のお得情報などのURLを返してくるというもの。その他、「空席照会・予約」「予約確認・購入・座席指定」「運行の見通し」「会員ページログイン」などがLINE公式アカウントのリッチメニューから選択できるようになり、AIRDOのサイトに誘導する。
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今後も同社はLINEを活用したサービスを拡充していく予定で、今後は提案型・利用状況に応じたユーザーにマッチする提案を可能として方針。新サービスは、LINE公式アカウントのスタートとともに2016年10月18日からスタートする。
将来的にはAI活用でコンサル機能へ、観光産業のテクノロジー活用は「2合目」
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今回、AIRDOのサービス発表の記者会見には、LINE上級執行役員コーポレートビジネス担当の田端信太郎氏も登壇。今後のコミュニケーションではAI活用のチャットボットで、さらに自然な会話の展開や、具体的な提案型のコンサルティング機能に向上させていく考えを示した。
また、田端氏は「LINE自体が業務インフラの一翼をつとめることを戦略にしている」と話す。ユーザーのスマホに入ったアプリは企業にとって有効であるものの、アクティブであり続けることはむずかしい。毎日利用するアクティブユーザーの多いLINEアプリを企業に有効活用してほしいとの考えだ。
観光産業では、どうか? 田端氏は、各分野でLINEをはじめとしたテクノロジー活用が「とても相性がいい」と話す。一方で、観光産業でのテクノロジー活用は「まだ2合目」との見立て。特にコンシェルジュ機能などは、今後AIの発達で活用されるシーンが増えるとみている。
特に、中小規模の事業者には、LINEのプラットフォームが有効であるとの考え。田端氏は、例えば宿泊施設が、LINEアプリから自社サイトに誘導して直接販売の機会を増やすなど、活用法がまだまだあると自信を見せた。
トラベルボイス編集部 山岡薫